北島三郎 最終公演

「「まつり」にかけた演歌道~北島三郎 最終公演~」、NHKBSプレミアム、2015.3.28


NHKで、北島三郎座長公演の千秋楽(福岡博多座、2015.1.29)の録画を放送していたので見た。これはおもしろい。

北島三郎の座長公演は、北島が1968年、31歳の時から46年間続いてきたもので、前半が芝居、後半が歌謡ショーという定番の形式。

芝居は、「国定忠治」。忠治と親子の名乗りができない娘の嫁入り話が中心になっているエピソードで、もちろん、娘役は実娘の水町レイコ。立ち回りもあるのだが、ほぼ人情話。これは北島三郎の家族愛。国定忠治について知識がない人でも楽しめる。

歌謡ショーは、「北島三郎、魂の唄(たましいのうた)を・・・」というタイトルで、北島三郎のヒット曲を歌いまくる。「風雪ながれ旅」、「年輪」、「山」、「川」、「竹」、「兄弟仁義」、「函館の女」、「橋」、「母」、「父親」、「路遥か」、「帰ろかな」、「北の漁場」、「まつり」、「泪の花舞台」。

終わりの「北の漁場」、「まつり」は、派手派手のセットで豪快なショーにしていて、最後の「泪の花舞台」は、ただ歌うというもの。作詞作曲、原譲二北島三郎自作曲。この演出もいいわ。北島三郎の後ろに公演の登場人物やらスタッフやらが揃いの法被で出てきているが、ざっと見ても70人くらいはいる。北島三郎自身も、客も涙。

北島三郎の歌は、この年齢でもまったく衰えを感じさせないもので、何十年もプロの歌手を続けてきた人の技はただものではない。この座長公演も、一ヶ月間連続で、休演日はあっても、昼夜公演で続けているのだ。この最終公演の千秋楽で、4578回と言っている。この公演を続けられる余力のあるうちに有終の美を飾りたかったのだろう。

北島三郎は、ほんものの、「生きている国の宝」。勲章でもなんでも、生きているうちにあげればいいのに。