マッサン 89-90話

「マッサン」、89-90話


エリーは、マッサンを連れて家主の野々村の家に出かけ、事業家の渡芳利(オール阪神)に紹介してもらう。自分でウィスキー事業を始めるために50万円出してくれという出資の相談。

渡には、「鴨居商店と同じウィスキーを作ってうまくいくのか?」と当然の質問をされる。マッサンは品質では負けないというが、工場が出来てから初出荷までに5年かかると口にすると、その時点で引かれてしまう。

そこでマッサンは、ウィスキーが商品化できるまで、りんごジュースを作って営業するという話を思いつく。渡は、「自分と野々村で20万円ずつ出資するが、あんたも自分で10万円作って出資しろ」と言う。当時の10万円は現在の5千万円なので、マッサンにはカネは出ない。

さらに鴨居商店との関係をどうするか。英一郎が亀山家に来て、「レッドラベルは失敗なので、工場長の好みに近いウィスキーで出直したい」と言ったところに、鴨居商店を辞める話を持ち出すマッサン。英一郎は怒って帰ってしまう。

翌日、鴨居商店に大将を訪ねて行くマッサンとエリー。大将は2人の用件をもう知っていた。退職届をポケットから取り出すマッサンに、大将は「一番厳しい時におまえは鴨居を捨てるんか」と尋ねる。「おまえの理想はうちの山崎工場で実現する」と迫る大将に、マッサンは、「大将のウィスキーよりうまいウィスキーを先に自分が作ります」という。

技術はともかく、営業や宣伝はできるのかという大将に、できますと言い張るマッサン。大将は、「なぜ10万円足りなければ、わしに貸してくださいと言えんのか」と逆に迫ってくる。大将はさすがだ。

マッサンは土下座して頭を下げる。大将はその場で10万円の小切手を切ってくれる。必ず返すというマッサンに、大将は「返す必要ない。おまえの退職金や」という。大将は、日本人の舌にウィスキーを慣らすためには、2社、3社とウィスキーを作る会社が出ないとあかんと言ってくれる。

夜には英一郎が、マッサンの家を訪ねてくる。英一郎は、「今度は自分がお二人の背中を押す番」と言って、「ウヰスキー研究室」の看板を持ってくる。マッサンと英一郎は酒をくみかわす。

大将、おいしいところを全部持っていく役者だ。脚本がいいし、堤真一の演技はすばらしい。マッサンの鴨居商店退社をどうするのかと思っていたが、感動的なレベル。このドラマを見続けていてよかったわ。