広沢虎造 ジャングルの虎

「ジャングルの虎」、広沢虎造


広沢虎造の愛国浪曲SPレコードの録音がYouTubeにのっていたので、聞いてしまった。いろんな意味でおもしろすぎる。

おはなしは、マレー半島シンガポール目指して南下する日本陸軍の「内藤上等兵」と上官や戦友たちの進軍譚。

内藤上等兵は、名前かあだ名かよくわからないが、「虎」という。この虎、マレー半島を進軍中に、本物の虎と遭遇。「西洋の虎はものはいわねえが、大東亜の共栄圏に住む虎はちゃあんと人間の言葉は心得ているぜ」というわけで、内藤「虎」は、本物の虎と会話。

本物の虎は酒をすすめて、「酒は人間よりこっちが本場だよ。だから酔っ払った時にゃ、虎になった、というじゃねえか」と返すのだ。

しかも本物の虎は、内藤「虎」と握手。握手って、虎とどうやって握手するのかと思うが、内藤「虎」の手には証拠の爪痕がついているのだそうだ。

この調子で話が進行。笑えるのは、この虎対談のくだりくらいだが。全体で30分弱。1944年の録音。昔のはやりものはおもしろい。