TURN/陸から海へ トークシリーズ 会田誠

「TURN/陸から海へ トークシリーズ 会田誠」、鞆こども園、2014.12.7


鞆の津ミュージアムトークイベント、2回めが会田誠だったので、行ってきた。

このシリーズ、宇川直宏会田誠、エリイ、坂口恭平みうらじゅん×根本敬茂木健一郎園子温×神楽坂恵という、おもしろいセレクション。みうらじゅん×根本敬の回は早々に売り切れ。今日の回も、売り切れではなかったが、ほぼ満席。さすが会田誠は人気あるわ。

トークの内容は、これまでの自分の作品をスライドで映しながら、それに会田誠がコメントを入れていくという、ふつうのスタイル。最初は、香港でやるソフィー・カルとの二人展での新作から。これは、会田誠が安倍首相の格好をして、国際会議(らしきもの)で演説するビデオ。昔、オサマ・ビン・ラディンの扮装で、何やらビデオでしゃべっていた作品のセルフパロディみたいなもの。内容は、「全世界は鎖国しろ。英語は大キライ」みたいなことをへたな英語でしゃべりまくる(めちゃくちゃたどたどしい)。最後の方は日本語になっている。かなり笑えた。

途中までは、最近の作品から順に過去へと遡っていったのだが、途中で「どうも乗れないですね」と言い出して、一番古い作品から時間を追って紹介することに切り替えた。こっちはこっちでおもしろい。

森美術館の展覧会で、フェミニストに叩かれた「雪月花」は軽く流して、「政治的な理由で文句がついて展示できなかったもの」の事情を詳しく話していた。会田誠は、「エロが理由で展示不可になるものにはあまり文句はつけないが、政治的な理由で展示不可になるものにはかなり食い下がる」方針だそうな。

これで引っかかった作品例が、「支那料理」。草原に「豚の首」がゴロゴロ転がっているというもの。これは中国で拒否された。「ゲートボール」は、新潟か富山の美術館で断られたという。これはおじいちゃん達が、アジアの地図の上で人間の首をボール代わりにしてゲートボールをしているというもの。「ここの街の人は、ゲートボールが好きなので、かんべんしてくれ」と言われたそうだ。

政治であっても、エロであっても、他の何かであっても、抗議や展示拒否に対して、簡単に引き下がったりしないところが、会田誠のエライところ。語り口は適当な感じでいて、実際の態度は全然適当じゃないところもおもしろい。