歌謡スクランブル 歌謡浪曲集1,2
「歌謡スクランブル」、「歌謡浪曲集1, 2」
NHKFMで、だいたい歌謡曲ばかりかけている番組のなかで、「歌謡浪曲」の特集が2回あったので、ちょっと聞いてみた。この分野、まだ現役でやっている人がいたとは知らなかった(単なる無知)。
1回めのリストが、
「歌謡浪曲 無法松の一生(度胸千両入り)
~ニューバージョン~」(神野美伽)
「歌謡浪曲 お夏清十郎」 (中村美律子)
「長編歌謡浪曲 元禄花の兄弟 赤垣源蔵」 (三山ひろし)
「木曽路の女(歌謡浪曲入り)」 (原田悠里)
「歌謡浪曲“港子守歌”~蝶々夫人に寄せて」 (藤あや子)
「湯島の白梅」 (二葉百合子)
「王将一代 小春しぐれ 浪曲歌謡篇」 (都はるみ)
2回めのリストが、
「織田作之助・原作“夫婦善哉”より 蝶柳ものがたり」
(天童よしみ)
「梅川忠兵衛(歌謡浪曲)」 (坂本冬美)
「長谷川伸・原作 一本刀土俵入り」 (初代 京山幸枝若)
「瞼の母」 (石原詢子)
「長編歌謡浪曲 元禄名槍譜 俵星玄蕃」 (三波春夫)
こういうものなのだが、この2回でかかった曲を歌った人で現役で残っているのはほぼ全部女性。初代京山幸枝若と三波春夫はすでに亡くなっているから、男性で存命の人は、三山ひろしだけ。
この人は歌はうまいが、語りがいまいち。これは他の女性歌手にも言えることで、歌だけとれば、みな、きちんと歌っている。が、語り部分が一歩劣る。例外は都はるみで、これは語りもすばらしい。
初代京山幸枝若と、三波春夫も、なんと言っても語りがすばらしい。もともと浪曲師だったのだから、当然かもしれないが、このレベルは、他の人が簡単に届くものではない。三波春夫の「元禄名槍譜 俵星玄蕃」は、以前、YouTubeで見たが、このレコード録音はそれには一歩譲る。それでも歌と語りの完成度の高さは、超絶的。
ざっと聞いてみると、この分野が衰退していった理由は推測がつく。まず長い。1曲で10分くらいはふつう。これはTVサイズにはならない分野。
それに、ネタ。なんでもアリとはいえ、ここでかかった曲は、ほとんどが古く、出典や背景になる物語の文脈がほとんどわからなくなっている。これはもともと浪曲ファンだった人のためのもので、新しいファンを開拓できるかというと、それはむずかしい。
そして、技術。歌謡浪曲は歌と語り物の両方の要素が入っているので、これをどちらもできる人はそれほどいない。特に演歌歌手が浪曲を語れるかといえば、かなり訓練しないとできないだろう。都はるみはもともと浪曲の訓練もしていた人。1948年生まれなので、世代的に浪曲がまだはやっていたころだからできたこと。しかもあのうなるような特別な声で語ることは他の人にはムリ。
他の人の語りも、素人が聞いてヘタだと思うようなレベルなどではない。しかし、名人の語りを聞いてしまうと、物足りなく思うことは確か。この分野は、素人がカラオケで真似できるような要素は皆無で、プロの芸を楽しむことしかできない。おそらくそれも、この分野が衰退したことの理由だろう。しかし、名人の技は圧倒的な迫力があるので、聞けばすばらしさはわかるはず。音源はあるから、それが救いだが。
NHKFMで、だいたい歌謡曲ばかりかけている番組のなかで、「歌謡浪曲」の特集が2回あったので、ちょっと聞いてみた。この分野、まだ現役でやっている人がいたとは知らなかった(単なる無知)。
1回めのリストが、
「歌謡浪曲 無法松の一生(度胸千両入り)
~ニューバージョン~」(神野美伽)
「歌謡浪曲 お夏清十郎」 (中村美律子)
「長編歌謡浪曲 元禄花の兄弟 赤垣源蔵」 (三山ひろし)
「木曽路の女(歌謡浪曲入り)」 (原田悠里)
「歌謡浪曲“港子守歌”~蝶々夫人に寄せて」 (藤あや子)
「湯島の白梅」 (二葉百合子)
「王将一代 小春しぐれ 浪曲歌謡篇」 (都はるみ)
2回めのリストが、
「織田作之助・原作“夫婦善哉”より 蝶柳ものがたり」
(天童よしみ)
「梅川忠兵衛(歌謡浪曲)」 (坂本冬美)
「長谷川伸・原作 一本刀土俵入り」 (初代 京山幸枝若)
「瞼の母」 (石原詢子)
「長編歌謡浪曲 元禄名槍譜 俵星玄蕃」 (三波春夫)
こういうものなのだが、この2回でかかった曲を歌った人で現役で残っているのはほぼ全部女性。初代京山幸枝若と三波春夫はすでに亡くなっているから、男性で存命の人は、三山ひろしだけ。
この人は歌はうまいが、語りがいまいち。これは他の女性歌手にも言えることで、歌だけとれば、みな、きちんと歌っている。が、語り部分が一歩劣る。例外は都はるみで、これは語りもすばらしい。
初代京山幸枝若と、三波春夫も、なんと言っても語りがすばらしい。もともと浪曲師だったのだから、当然かもしれないが、このレベルは、他の人が簡単に届くものではない。三波春夫の「元禄名槍譜 俵星玄蕃」は、以前、YouTubeで見たが、このレコード録音はそれには一歩譲る。それでも歌と語りの完成度の高さは、超絶的。
ざっと聞いてみると、この分野が衰退していった理由は推測がつく。まず長い。1曲で10分くらいはふつう。これはTVサイズにはならない分野。
それに、ネタ。なんでもアリとはいえ、ここでかかった曲は、ほとんどが古く、出典や背景になる物語の文脈がほとんどわからなくなっている。これはもともと浪曲ファンだった人のためのもので、新しいファンを開拓できるかというと、それはむずかしい。
そして、技術。歌謡浪曲は歌と語り物の両方の要素が入っているので、これをどちらもできる人はそれほどいない。特に演歌歌手が浪曲を語れるかといえば、かなり訓練しないとできないだろう。都はるみはもともと浪曲の訓練もしていた人。1948年生まれなので、世代的に浪曲がまだはやっていたころだからできたこと。しかもあのうなるような特別な声で語ることは他の人にはムリ。
他の人の語りも、素人が聞いてヘタだと思うようなレベルなどではない。しかし、名人の語りを聞いてしまうと、物足りなく思うことは確か。この分野は、素人がカラオケで真似できるような要素は皆無で、プロの芸を楽しむことしかできない。おそらくそれも、この分野が衰退したことの理由だろう。しかし、名人の技は圧倒的な迫力があるので、聞けばすばらしさはわかるはず。音源はあるから、それが救いだが。