時代劇ベスト100

春日太一『時代劇ベスト100』、集英社新書、2014


つい最近『なぜ時代劇は滅びるのか』新潮新書、で、衝撃的なインパクトを放った著者による、こちらは、「ホメるべき時代劇作品」の紹介本。

「これだけは押さえておきたい40本」、「隠れた名作40本」、「個人的な趣味で選んだ20本」に分けて紹介している。「これだけは押さえておきたい40本」の内容は、

次郎長三国志」(松竹、全9部)
七人の侍」(東宝
「血槍富士」(東映
赤穂浪士 天の巻、地の巻」(東映
幕末太陽傳」(日活)
隠し砦の三悪人」(東宝
東海道四谷怪談」(新東宝
薄桜記」(大映
笛吹川」(松竹)
「用心棒」(東宝
宮本武蔵」(東映、全5部)
椿三十郎」(東宝
座頭市物語」(大映
切腹」(松竹)
「忍びの者)(大映
「関の弥太っペ」(東映
十三人の刺客」(東映
眠狂四郎女妖剣」(大映
新選組血風録」(NET)
「素浪人月影兵庫」「素浪人花山大吉」(NET)
「人斬り」(大映
木枯し紋次郎」(フジテレビ)
子連れ狼 三途の川の乳母車」(勝プロ)
必殺仕掛人」(朝日放送
国盗り物語」(NHK
子連れ狼」(日本テレビ 第1-3シリーズ)
「股旅」(ATG)
必殺仕置人)(朝日放送
黄金の日日」(NHK
柳生一族の陰謀」(東映
草燃える」(NHK
関ヶ原」(TBS)
魔界転生」(東映
徳川家康」(NHK
真田太平記」(NHK
「独眼竜正宗」(NHK
武田信玄」(NHK
鬼平犯科帳」(フジテレビ、第1-9シリーズ)
御家人斬九郎」(フジテレビ 第1-5シリーズ)
蝉しぐれ」(NHK

この中で自分が見ているものはだいたい半分くらい。しかも、「鬼平犯科帳」などはとびとびでしか見ておらず、古い作品は相当抜けている。この本全部に目を通すと、この必見ものに加えて、1950-60年代のそれほど有名ではない時代劇映画や、「徳川セックス禁止令 色情大名」のような艶笑もの、「るろうに剣心~追憶編」のようなアニメ作品まで、著者が非常に幅広く見ていることがわかる。

マイナーなTVシリーズはソフト化されていないものも多く、CSテレビを片っ端から録画していないと見られないようなものも多数。しかもこれは著者のおすすめ作品だけを選んだものだから、膨大な数を見ているのだ。

このくらい見ていないと時代劇研究家を名乗ることはできないものか。さすがにそんな領域には遠く及ばないが、最初にあげてある40作くらいならコンプリートできないわけではない。ちびちび見ていこうと思う。

本の構成は、1作品につき見開き2ページで、作品の魅力がわかりやすく語られている。非常にありがたいガイド本。