ノスタルジー&ファンタジー

「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」、国立国際美術館、2014.9.13


大阪の国立国際美術館でやっている現代美術の展覧会。近所に用事があったのでついでに見てきたのだが、おもしろかった。

入り口近くにあるのは、北辻良央の大きな部屋の造形物。中は茶室で、外は本棚が作り付けになっていて、多分作家が好きだと思われる何人かの小説全集が並んでいる。小説家本人の顔らしい絵もくっついている。個人的な要素と、外に開かれた要素がうまく混じっている。

小西紀行の絵は、表情があるのかないのかわからないようなぼやけた顔の人たちが描かれている。絵の具はいったん塗った後で拭きとっているので、絵を描いたというよりは、絵を消しかかっているような印象。これは新しい。

小橋陽介の絵は、部屋を半開にしたような空間に、描いた絵やらちょうちんやら、何でもひっつけられたり、ぶら下がったりしている。やたら直立した男性の絵が多く、どれも変なペニス状のものがついているけど、これは何なの?裏側もおもちゃ箱みたいに、変な絵が貼り付けられていて、やりたい放題。

棚田康司は彫刻家。ちょっと舟越桂っぽい?ような感じ。一木彫で、しかもデカイ。少年少女が主で、フラフラと危うい感じ。非常にテクニックのある人だ。

淀川テクニックは、展示室の外に、大きな壁を作って、そこにかたっぱしからゴミを貼り付けている。この作品だけ撮影可。心がでこいので、ばしばし写真をとった。貼り付けられているゴミを見ているだけでも楽しい。この壁には何箇所か、穴が開いていて、「顔出し看板」みたいに顔を出してみることもできる。まわりは全部ゴミなので、顔を出してもゴミと区別がつかない。小さいプラスチックのケースに小物を仕込んで作品もかわいい。

方向性はまるっきりバラバラだが、ざらっと見て、楽しい作品が多い。国立国際美術館はいいもの揃えていて、うらやましい。