新・夢千代日記 10話(最終回)

「新・夢千代日記」10話(最終回)


このドラマも今回が最終回。

松田優作の記憶を戻せないままで、戸浦六宏と亜湖は横浜に帰っていく。松田優作はあいかわらず、旅一座の芝居に出る毎日。夢千代も客席で見ている。バックにかかっているのは、梅沢富美男「夢芝居」。一座の公演はこれで終わりで、明日は岡山に行ってしまう。

座長は、松田優作に、一座についてきてほしいと頼むのだが、松田優作はここにいたいと言って、断る。菊奴は、ピーターに何か耳打ちされているが、内容はよくわからない。

夢千代は、お座敷に出ている時に急に調子が悪くなり、救急車ではる家に運ばれる。救急車は、自宅に運んでくれたりはしないのだが…。菊奴が、白兎で夢千代が倒れた話をするので、松田優作と有田は、はる家に飛んで行く。

ピーターは、白兎で、一座と一緒には行かず、東京に行くと菊奴に告白。金の無心だけでなく、いっしょに東京に行こうと菊奴を口説いている。もちろんコロッと行ってしまう菊奴。

夢千代は、松田優作に「あなたが戦う姿を見たいんです」と言う。松田優作は、自分に過去はないと返すのだが、困ったようす。そりゃそうだ。夢千代は、「自分も過去に目を背けてきたから、あなたにはそうなってほしくない」というが、結構夢千代も残酷だ。

金魚はお座敷の帰りに、雪道で倒れてしまう。足を折ってしまったのだが、宇崎が送り迎えをして、お座敷だけは勤めている。歩けなかったら、お座敷には出られないと思うが。

菊奴は、ピーターについていくことにして、見たこともない洋服を着て、はる家からいなくなる。ピーターといっしょに山陰線でニヤニヤしている菊奴。

松田優作は、またリングに上がることを決めて、2月19日に横浜で試合をすることになる。だったら早くジムに戻ればいいのだが、夢千代のところを離れたくないようで、トレーニングは湯里でしているが、試合のために横浜に出かけていく。

夢千代がどうしても横浜に試合を見に行くというので、医者も藤森刑事も止めるのだが、夢千代は言うことを聞かない。ところが、鳥取から飛行機で行こうとしたら飛行機は雪で欠航。鉄道では間に合わない。夢千代はラジオで試合を聞く。昔はラジオでボクシング中継なんかしてたのか。

これは試合の様子を画面にあまり出さなくてすむ、いい方法。松田優作はさすがにボクシングはできないし。松田優作は1ラウンド、2ラウンドで連続ダウン。もうダメダメ。夢千代は、「タカオさん、もういいのよ」とたいへんに無責任なことを言っている。

金魚は、宇崎におぶってもらったまま、海に入って心中してしまう。

松田優作は気力をふりしぼって、逆転勝ちするが、そのまま倒れて起き上がらない。暗に死んだということらしい。

夢千代が、はる家で涙を流して、前田純孝の歌を詠んでいるところでおしまい。


最後はあっさりした終わり方だが、この20回のドラマの終わりにはあまりくどいことは言わないほうがいいのかもしれない。結局主要な脇役は、死ぬかいなくなるか、どちらかで、夢千代と小夢くらいしか残らないから、テレビドラマはこれで打ち止め。映画版は、これに接続しているのであれば、どう作ったのか、見当もつかない。

湯村温泉には一度行ってみたい。80年代のドラマの記憶を持って行くと失敗しそうだが。あと、なんとか機会を見つけて映画版を見なければ。20回、話がダレることなく続くのは、さすが早坂暁。全部見られてよかった。