NHKスペシャル 60年目の自衛隊

NHKスペシャル」、「60年目の自衛隊~現場からの報告~」


NHKスペシャル自衛隊特集。

取材しているのは、まず、陸の幹部候補生学校。起床後、上半身裸で点呼と体操。インタビューでは、当然ながら模範解答。防大卒、一般大卒、転職組、女性はバランスよくまぜている。射撃場は、学校から3キロ離れているので、歩いていく。ここで学校長登場。「小隊長の射撃と一隊員としての射撃は同じか違うか」という質問。学校長の答えは、「違う。小隊長の射撃は、他の隊員の射撃をリードする役目がある」というもの。学校長も野戦服だ。学校長の前職は第1空挺団長。

次は、海の佐世保基地。前任と現職の佐世保地方総監がインタビューに答えている。エライ人は、きちんとしたことしか言わないから、そんな人にばかり話させても…。

元陸幕長からもインタビューをとっている。要するに自衛隊はいろいろガマンしろという話。

東チモール陸軍将校の訪問も映っている。東チモールPKOのビデオが出てくる。これは国際平和協力任務の話で、イラク戦争の際に、米軍も「現地住民との相互理解が大事」と言っているという話。

また陸の幹部候補生学校に戻って、殉職者の遺影に礼を行い、自衛隊員としての宣誓を改めて確認される。

幹部候補生へのインタビューでは、「集団的自衛権への個人的賛否に触れないという条件でインタビューが行われた」という但し書きつきで、集団的自衛権に関心はあるか、有事に備える覚悟はできているかという質問。これも模範解答ばかり。

幹部学校長が、集団的自衛権行使容認の閣議決定の日に訓示していることは、「実力をつけろ」というもの。それ以上のことは言えないよね。

最後は、演習場での訓練。この訓練は実弾使用で匍匐前進させる。これは音を覚えさせるためなので、危なくないようにやっている。

自衛隊創立60周年記念という番組だが、完全に自衛隊の広報番組。自衛隊にとって都合の悪い話は出てこないし、驚くような話もない。現職自衛官や、退職者であってもエライ人にしか話を聞かないのであれば、こうなるのは当然。暗部も描けとはいわないが、もうちょっと作り方があるのでは?