新・夢千代日記 7話

「新・夢千代日記」7話


松田優作が乗った漁船が出て行ってから一晩。夢千代は、こたつで居眠りしてしまっている。夢千代の母親の親友、玉子(鈴木光枝)は、はる家に泊まった早々、炊事を始めた。この人が、いなくなったおスミさんの代わりをやるらしい。玉子は、広島菜の由来をむかしばなしにして話すのでした。

はる家に電話がかかってきて、松田優作が乗った漁船は沈んでしまったが、松田優作は生きているという知らせ。一人だけ助かったのだ。冬の海に放り出されて一人だけ生きているというのも、ちょっとご都合主義っぽいけど。

診療所に新聞記者が取材に来て、松田優作の名前を聞いていくが、「タカオ」という下の名前しかわかっていないので、夢千代も藤森刑事も答えられない。しかし、夢千代は記事が全国版の紙面に出れば、松田優作の身元がわかるかもしれないと気づく。新聞記者は、松田優作の写真を勝手にとって、藤森刑事に追い出される。

鈴木光枝は、湯村温泉に、夢千代の母親の墓参りに来たのだが、実は身体が辛いので自殺したいと思っている。そこを止めて、自分の家にいてもらうように頼むのが夢千代。これで鈴木光枝は、はる家に住み込むようになった。しかし、こうしてみると、なぜ中国残留孤児のエピソードを出してまで、おスミさんを中途半端なタイミングで退場させなければならなかったのかが謎。たぶん夏川静枝が身体の事情か何かで、どうしても続けていけなくなったのだろう。

松田優作はあっという間に回復し、退院してまた船に乗ると言っている。夢千代は悲しそうな顔をするばかり。

金魚を訪ねて、岡山の造船所の社長という小坂一也がまたやってきた。このエピソード、まだ引っ張ることになってたのか。小坂一也は、家も会社も全部放り出して来たという。金魚は、すっかりこれに参ってしまった。

ストリップ小屋では、客にさっさと脱げと言われ、怒った緑魔子は客を追い出してしまう。ただでさえ入らない客に入場料を返したので、あんちゃんにすまなさそうにする緑魔子。入場料2千円と言っているが、いくら1980年代で田舎のストリップ小屋といっても、2千円の入場料は安すぎだ。

夢千代は雪の中をはる家に帰りながら、どうしても松田優作が船に乗るのをやめさせないといけないと思いつめる。咳き込んで吐血する夢千代。そこに白兎を出てきた松田優作が鉢合わせ。「わたしより先に死んだりしないでください」と迫る夢千代に、松田優作も降参。松田優作も「座敷に出るのを、もうやめてください」と迫る。実質的にこのやりとりは両想いの告白になっている。

松田優作は、夢千代を背負って、はる家に帰ってくる。あと3回でどうやって決着がつくのか、皆目わからない。