新・夢千代日記 6話

「新・夢千代日記」6話


夢千代は鳥取の県立病院へ。神戸の病院に通っていたはずじゃなかったの?と思ってたら、これは夢千代の病気の治療ではなく、松田優作の記憶喪失の治療のため。

松田優作の記憶喪失は外因性で、何かのショックのおかげ。理由がわかれば記憶が戻るかもしれないが、戻らないかもしれない、という診断。夢千代と松田優作鳥取砂丘から、海を見ているのだが、前シリーズの石坂浩二の思い出は、もうないことになっているのだろうか。やはり、夢千代はしゃがみこんで泣いている。それは簡単に忘れられたら困るよね。当然ながら、石坂浩二の名前は出さない。

夢千代がなんで前田純孝という無名の歌人の歌にハマっているかというと、この人も不治の病を抱えた人だったから。藤森刑事は、得体のしれない松田優作を警戒していて、早く出て行ってもらえとしつこく言っている。起訴はしないことになったので、松田優作の所持金を返しに来たのだ。松田優作は、働く気になったが、船に乗りたいので診療所の先生に口をきいてくれと頼む。

診療所に菊奴が駆け込んできて、旅の一座の座長の足が折れたということでかつぎ込んでくる。

金魚は、口説かれている社長が母親を連れてきたというので、夢千代についてきてほしいと頼む。しかし、金魚は、見合いにはアコは連れて行かないという。金魚もどうするか決められないのだ。見合いの席、社長の宇崎の母親役は、東恵美子だ。田宮二郎の「白い巨塔」で、東教授夫人役だった人。イヤミ役の名人だ。金魚は本名の長瀬京子を名乗るが、東恵美子源氏名でしか呼ばない。芸者を入れるのには反対、親戚の意見も同じと断言。金魚は、「芸者を呼んだのだから、花代を払え」と言い、「男をたぶらかす芸でも見せろ」と返される。金魚は屈辱と怒りで下を向いたまま。

金魚は、夢千代と帰りにうどんを食べ、「自分に幻滅した」という。一瞬でもアコのことをおいて、自分の幸せしか考えていなかったことを悔いている。

松田優作は、アコといっしょに、温泉に出来た温水プールで泳いでいる。船に乗るには泳げるかどうか試すのだということだが、アコと遊んでいるようにしか見えない。アコはまるっきり松田優作になついている。

夢千代が帰ってくると、松田優作が、船の仕事が見つかったから、はる家を出て行くという。夢千代は、石坂浩二のことがあるので、船に乗ってほしくないと言うのだが、松田優作はもう決めている。はる家を出て、白兎の空いた部屋に入ることになる。

夢千代は松田優作を追いかけて白兎に行くが、もう船に乗るために出て行った後。これまで松田優作の立ち位置がはっきりしていなかったが、結局石坂浩二と同じということ。今回は、松田優作が夢千代に惚れているという設定がないことが違うが、前シリーズと同じでは困るので、夢千代の方から惚れるということにしたのかもしれない。

白兎は、従業員が二人いて、ストリップ小屋もアサ子とアンちゃんと二人抱えている。おまけに支配人の有田がいる。ぜんぜん客がいる様子がないのに、よく従業員の給料が出ているもの。

はる家では、アコが「大坂のおかあちゃんのところに行ってもええ?こっちのおかあちゃん、お嫁に行くかもしれん」と電話口で言っている。アコは全部知っていたのだ。

はる家には、夢千代の母親の友達だった玉子(鈴木光枝)が訪ねてくる。前田純孝の歌を夢千代が朗読している場面でおわり。