カラーでよみがえる第一次世界大戦 第3回

「カラーでよみがえる第一次世界大戦」第3回、「総力戦の結末」


冒頭、いきなり1944年のドイツ、アルデンヌ攻勢のフィルム。これはパットンを持ち出すための前振り。ドイツ側のモーデル元帥も登場。モーデルは、武装SSじゃないし、裁判にかけられずに自殺しちゃったからいいわけね。

そこで話は第一次世界大戦に戻り、1918年春のドイツ軍攻勢へ。ロシアは革命で戦線を離脱。ブレスト・リトフスク講和の様子もちゃんと映っている。その代わりにアメリカが参戦。ルノーFTが映っている。ここで、マークIも映った。列車砲も登場。ルノーはほんとに豆粒みたいに見える。

ドイツ軍最後の攻勢も、補給が続かない。リヒトホーフェンの姿も映っている。連合軍によるリヒトホーフェンの葬式つき。ドイツの攻勢が失敗した後は、ドイツの士気はガタ落ち。これだけ損害が出て、作戦が失敗したのではそれも当然。しかしドイツ軍総司令部はそんなことはお構いなしで、やる気満々だ。

パットンの戦車部隊は、アリのようにゆっくりと前進。アメリカ軍の増援はこうなると決定的。ドイツ軍の戦意は失われ、ルーデンドルフも敗北必至と悟る。キールの蜂起と革命、共和国宣言の様子もちゃんと映っている。コンピエーニュの森での休戦協定もちゃんとフィルムがある。

1918年秋には連合軍も余力がなくなっていたので、休戦は結果としてしかたない。しかしモーデルは負けたとは思っていない。フランス軍アルザス、ロレーヌとラインラントに殺到。三色旗と星条旗が家々の軒に下がっている。

歴史家は、「戦後すぐの時点では、元兵士も市民も戦争は二度とごめんで、実際に戦争は負けだと考えていたのに、時間が経つにつれて人々の考えは変わっていった」と言っている。終わりに、第二次世界大戦でのコンピエーニュの森での休戦のフィルムが出てくる。そして1944年のアルデンヌ攻勢の敗北。冒頭の場面はこれを出すためだったのだ。モーデルの自決で話は終わり。

第一次世界大戦第二次世界大戦の連続性が強調された構成になっている。よくできた番組。