NHKスペシャル 宝塚トップ伝説 熱狂の100年

NHKスペシャル」、「宝塚トップ伝説」、NHK総合、2014.5.8


最初の場面は、トップスターを迎えるファンの「儀式」。ファンの掛け声や歌がちゃんと揃っていてコワイわー。ヅカヲタは、ジャニとはまた別の怖さが…。

柚希礼音がナポレオン役で登場。星組公演「眠らない男 ナポレオン」。舞台映えがするし、稽古場での存在感もすごい。宝塚100周年記念ということもあるが、舞台や衣装はこの柚希礼音を想定して、豪華につくられている。この芝居、えらくキスシーンが強調されているし、演出でもそこをみっちりやっている。

ファンは柚希礼音に何かカードらしきものを渡しているが、あれは何なの?柚希礼音が手を振ると大歓声。

この芝居、曲数が多く、1幕のための歌だけで、分厚いバインダー1つ分の楽譜がある。柚希礼音は、ダンスに比べて歌が苦手だそうで、練習には一段と気合が入っている。公演は109回あるから、これをやり切るだけでも大変だ。トップが穴を開けるのは許されないし。

楽屋口には、白一色の衣装を着た宝塚の生徒。生徒が担いで運んでいるのは、この日が卒業の花組蘭寿とむ。この人も顔が濃くて男役っぽい。ダンスも切れている。練習中は、自分の歌をiPhoneで録音してすぐに全部聞き直す。楽譜も書き込みだらけ。当然、主役は課題が多くてたいへんだ。

雪組トップの壮一帆は、苦労人。組み替えを重ねてトップになった。「日本物」が得意な人だが、これは所作が特殊で、それなりのたいへんさがある。演目は「冥途の飛脚」を原作にした「心中 恋の大和路」。

月組トップの龍真咲は、「TAKARAZUKA 花特集100!!」。これもダンスの振付が細かい。

宙組トップの凰稀かなめベルサイユのばらのオスカル。これは昔の演出を踏襲しているので、そのとおりにやらなければならない。細かいところを厳しく指摘されている。昔から同じ演目をやっていて、ファンの目が同じかどうかをチェックしていると、簡単に変わったことはできないのだ。

ハイライトは、蘭寿とむの卒業公演。トップでない人もこの公演で引退するので、そちらにもカメラが向けられている。トップとそれ以外はぜんぜん違う。階級社会は厳格なのだ。蘭寿とむの最後の公演での舞台挨拶で終わり。ファンが同じ衣装で蘭寿とむを送り出す。これも声が揃っている。ファンはいつ練習しているのか?こわいこわい。