ジャニヲタあるある

みきーる、二平瑞樹(マンガ)『ジャニヲタあるある』、アスペクト、2012


ジャニヲタ歴20年という著者による、ジャニヲタ観察ネタ本。

この本を読むまで、ジャニヲタについて何も知らなかったが、こんなにすごいのか。部外者なのでわからないのは当然なのだが、まず「○○担」という言葉が説明抜きで出てきて、ジャニヲタすごろくのゴールは、「自担と結婚」することだと書いてある。さすがにそれはムリっぽいので、次の「中あがり」は、「ジャニーさんから後継者に指名される」こと。これもムリだろう。よって、普通のあがり「小あがり」は、「生涯ジャニヲタ宣言!ひとりのヲタとしてジャニ活を続ける」こと。これもそこそこに狂っていると思う。

ジャニヲタは、ほんとうに人生をジャニーズに打ち込んでいるのだ。これだけ心身をジャニに捧げていれば、外の世界から見て頭おかしいということがあってもあたりまえ。

しかし、自担にしてほしいファンサ(これも注釈なし。ファンサービスということらしい)は、1.ツーショットで記念撮影、2.握手やタッチ、3.髪、頭をなでてくれる、4.5分間二人きりでおしゃべり、5.好きな曲を一曲歌ってくれる、というもの。4や5はムリっぽいが、それでもけっこうつつましい。まああくまでファンサービスだから、あまりむちゃなことは言わないか。

斎藤環の本にもあったが、ジャニタレやジャニーズ事務所に失望した時の態度として「サガる」という言葉が多用されていて、ジャニヲタの基本的な態度は「アゲ」であることがわかる。

巻末に「特別寄稿」として、「印象評論家・重田みゆき」という人の「自担からファンサをもらっちゃおう!ジャニヲタのための”モテしぐさ”」という文章がついている。そもそも印象評論家って、何?文章の内容はかなり妄想世界に入り込んでいる。ジャニヲタの世界は底知れぬ深さ。おそろしい。