日本の黒ビール

最果屋うたう『日本の黒ビール』ビヤラバ新書、2010


冬コミに出かけて、大量の薄い本をゲット。自分が探していたのは資料本なのだが、カテゴリー分けされているところだけ見ているのですら時間がかかるのに、もともと目当てでなかったところでおもしろい本が多数手に入ってラッキー。

これは明治からの日本における黒ビール醸造の歴史に関する本。見所は、昔のビールの広告や、ビールラベルの図版がたくさん入っているところ。ちゃんとビール会社の社史や、昔の新聞のマイクロフィルムをあたっている。

ビールの基礎知識を読者が持っていることを前提として書かれているので、よくわからない単語が頻出。ボックって何?クルムバッヘルビールとは?ポーターってどんなビール?

しかしこういうことを知らなくても、おもしろく読める。今のような4社寡占体制や、ラガービール全盛になる以前は、多くのビール会社が多様なビールをつくっていたのだ。キリンビールのラベルが麒麟の図案になっている理由、醸造所とボトラーの関係など、勉強になるところ多数。