桃太郎侍 258話(最終回)

桃太郎侍」258話、「さらば桃太郎」


冒頭、つばめの墓に水をやる桃太郎。さすがにつばめが死んで、何もなかったように振る舞うわけにはいかない。
つばめ一座はどうなるかと思ったが、弥生太夫早乙女愛)が新しく来て、ちどり、かもめもがんばるので、座の興行はなんとかなっている。

お化け長屋に帰る途中でいきなり襲われる桃太郎。忍者の襲撃だ。松平備前守(桃太郎の兄)の家来が、お化け長屋に急を知らせに来て、切られてしまう。しかも、お化け長屋のいつもの人々がいきなり桃太郎に斬りかかる。死体の顔をめくると、全部別人。これも忍者。敵は忍者ということにすると、なんでもありなので便利だね。

蛙の田之助だけが見つかるのだが、昨夜のことは何も思い出せない。桃太郎は備前守を訪ねて家来のことを聞くが、江戸城内の御金蔵が破られ、数千両が奪われる事件が起こり、その背後には幕閣に内通者がいるらしいとのこと。

お化け長屋の人々がほとんど消えた後、残った弥生太夫も実は忍者。催眠術で桃太郎を眠らせようとするが、これは失敗。忍者は風魔一族とか言っているが…、将軍家に恨みを晴らすとか言いながら、幕閣の有力者に協力というのもなんだかねぇ。

次に襲撃されたのは備前守の屋敷。香で眠らせてから忍者が出てきた。ここで弥生太夫も斬られておわり。あっけない。

陰謀の黒幕の老中板垣能登守は、御金蔵破りの責任を備前守に負わせて罷免しようとするが、備前守は上様に直接是非を伺うと言って、従わない。桃太郎は備前守に付きそうが、備前守の御霊屋ご代参を利用してまたまた忍者の襲撃。とうとう備前守は斬られてしまった。桃太郎は風魔の棟梁を返り討ちにするが、備前守は「兄に代わって、世の中を頼む」との言葉でご臨終。

後は、桃太郎が能登守と勘定奉行を斬って、おしまい。桃太郎の装束は、前回は金ピカだったが、今回は黒が基調(帯はやっぱり金)。お化け長屋の桃太郎の部屋は片付けられ、「松平鶴次郎」という桃太郎の本名もみんなにバレました。長屋の皆さんは、「置き手紙がないということは、しばらくしたら戻ってくるということ」だと勝手に決めつけて、長屋をそのままにしておくことにする。桃太郎が、一人街道を歩いている場面でラスト。いったい、桃太郎、どこに行くの?兄の遺言で家を継ぐのではなかったの?


脚本は山本英明。監督は、井沢雅彦。この2人もシリーズでは常連だった人だから、納得の配置。忍者の立ち回りは見応え十分。桃太郎がどこに行ったともしれない終わり方もまあよし。主な出演者のうちで死んでしまったのは、つばめと備前守(すずめは少し前の回で死んだ)だから、ちょっと拍子抜けした。でも長屋の人々が全滅したら、後味悪すぎるからこのあたりでいいのか。つばめが死んでしまったら続編も作りにくい。この後テレ朝で、高橋英樹主演の桃太郎侍が制作されたが、連続ドラマにはならなかった。