華麗なる一族(1974 TV版) 23話

華麗なる一族」(1974 TV版)23話


阪神銀行の芥川常務は、銀行合併問題を国会で質問しようとしている社民党の中根代議士(安部徹)を料亭で接待。質問内容を事前に聞き出すのだ。この中根が当然悪人。芥川は中根に「質問と答えをこちらで作成してお送りします」とカネをねじ込んでしまう。

大蔵委員会喚問の当日。大同の三雲専務は「阪神銀行の見せかけ融資にひっかかった」ことを正直に証言すると宣言する。綿貫専務は必死で止めようとするが耳を貸さない。委員会の場面は、あまり忠実なセット構成になってない。この番組はけっこう美術は手抜きだからしかたないか。

安部徹の質問は、阪神銀行に対しては手ぬるく、大同銀行の三雲への追及は徹底的にやるというもの。しかし、カネを受け取っていない社民党の荒尾代議士(高木均)が阪神銀行を追及しにかかる。ここで三雲が阪神銀行の見せかけ融資を暴露。ここで安部徹が割って入って、話をうやむやにしてしまう。

神戸の阪神特殊鋼では、帝国製鉄の工場長が破産管財人としてやってきた。管財人の決定で、石川社長と専務の鉄平ほか役員は総退陣させられる。ここは映画版と一番違うところ。裁判所で審理が行われている最中に、いきなり役員の交替が通告されるのはどう考えてもおかしいから、こちらの方がリアル。

雪の降る中で、工場関係者に鉄平が別れのあいさつをするが、管財人から鉄平に告訴の取り下げが申し渡される。当然といえば当然のこと。鉄平は顔を真っ赤にして怒っているが、時すでに遅し。万俵家では、高須相子がカラカラと笑っているが、二子は「わたしは相子さんの自由にはなりません」と宣言しておしまい。

結局、告訴は取り下げられたので、この問題が法廷に持ち出される状況はなくなった。そのかわりに大蔵委員会での喚問シーンが入っていたということ。大騒ぎになる前に、大介がカネとコネを使って問題のタネを事前に処理してしまいました。当然、こうなっていなくてはおかしいから、これでよし。この場面、木村拓哉主演のテレビドラマではどのように処理されていたかなあ。