警視-K 3話

「警視-K」3話、「自白への道」


しばらく見ていなかった「警視-K」だが、日本映画専門チャンネルでまとめて放送したものを録画したので、見ることに。

この話は、勝新太郎の単独脚本。ということは、設定とプロットだけで台本はない。実際、役者が何箇所かセリフに詰まっているところがある。普通のドラマなら撮り直しだ。もちろん、お構いなしに話は進行する。

この回の犯人であるメインゲストは市道浩高。知らない人だ。若くて、いかにも坊ちゃん然とした人。設定では、祖父がそれなりの会社をつくって経営していて、本人は妻の父の会社で修業させられているということになっている。いずれにしてもボンボンだ。この市道浩高が、以前付き合っていた女が妊娠したので殺してしまい、それを自白させられるまでの経緯がこの話。

最初の時点でほとんど犯人だと暴露するようなことをボロボロ漏らしていて、ほぼネタはバレている。しかしこのボンボン、なかなか泥を吐かなかったり、吐いたと思ったら、「うそぴょーん」みたいなことを言い出したり、始末に負えない。見ていてだんだんイライラしてくる。

ところが、会社を経営している祖父(今福正雄)がりっぱな人で、ちゃんと孫を自白させて、ついでに自分は責任を感じて自殺、という話。悲惨な話だが、遺体が2体見つかり、遺族はあたふたと振り回されていて、泣きというより半分笑いが出るような終わり方になっている。

第1話、第2話と同じく、ストーリーそのものは大して意味はなく、勝新太郎の意表をつく芝居やセリフがポイントになっている作品。勝新は、見ている側の期待を外しまくるタイミングで何でもやり放題。リアルタイムで見ていた人は本当に混乱しただろう。この作品を公開上映した時に、出演者の刑事たちと、中村玉緒奥村真粧美トークショーに出演していて、その模様を各話の間に流している。

奥村真粧美は、もういい年だと思うが、見た目、完全に勝新太郎中村玉緒を2で割ったような風貌。この作品出演時にはそこそこスリムだが、トークショーでは勝新並みにいいガタイをしている。女性として見ると微妙だが、まるで勝新太郎がよみがえったみたい。