高関健/広島交響楽団 ブラームス(シェーンベルク編)ピアノ四重奏曲第1番

J.S.バッハストコフスキー編)  プレリュード第8番(平均律クラヴィーア曲集第1巻)

                 トッカータとフーガ ニ短調

                 アンダンテ・ソステヌート ハ長調無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番)

                 シャコンヌ ニ短調無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番)


ブラームスシェーンベルク編)  ピアノ四重奏曲第1番


    高関健指揮、広島交響楽団、HBGホール、2013.7.5



このプログラムは、「編曲されたオーケストラ作品特集」。バッハのストコフスキー編曲作品は、いままでろくに聞いていなかったが、これを聞いてみて、聞かなくてもよかったと再認識。とにかく、バッハらしくない。音が多すぎる。これだったら、元のチェンバロ、オルガン、ヴァイオリンで演奏されたものを聞いたほうが絶対いい。

編成はけっこう大きく、「シャコンヌ ニ短調」では、ホルンが6本、トランペット、トロンボーンが4本ずつ、ハープが2本出ていて、ステージは楽員でいっぱい。ストコフスキーがこれを自演していた頃は、このスタイルが受け入れられていたのかもしれないが、いまどきの古楽スタイルのバッハに慣れてしまうと、げっぷが出そうな演奏にしか聞こえない。

シェーンベルク編のブラームスは、これもまるっきりはじめて聞いた。こちらはストコフスキーと違って、原曲の構成をできるだけちゃんと生かした形にしようという意図がうかがえる。しかし、派手なことには変わりなく、ブラームスにバターと砂糖がガシガシ入ったソースをかけまくったようなもの。ブラームス管弦楽曲はたくさんあるのだし、あえてこの曲をオーケストラ編成にする意味はよくわからない。

とはいえ、珍しいものを聞けたのはたしかで、そういう意味では拾い物だった。ブラームスの終楽章はガンガン弾きまくる曲で、オーケストラも速いテンポで大きくなっており、この部分はおもしろく聞けた。ブラームスと思わなければいいのかもしれない。高関健の指揮は非常にエネルギッシュ。アンコールは、同じストコフスキー編の「G線上のアリア」。これはすなおに聞けるのだが、単に慣れているかどうかの違いなのかもしれない。