華麗なる一族(1974 TV版) 19話

華麗なる一族」(1974 TV版)、19話


二子の結婚話はどんどん煮詰まっていって、とうとう大介は佐橋総理に面会して、披露宴への出席を頼んでくるまでになった。佐橋総理役は、伊東光という人。映画版でも同じ役で出ているらしいが知らない人だ。しかし永田大蔵大臣を山形勲が演じているのだから、たとえ一瞬しか映らない役でも、それなりの格の役者があてられていなければならないはず。

二子は、大介にはっきり「婚約を解消してほしい」と明言するが、「何を言っているんだ、あはははは」とまるっきり相手にされずに終わり。そうやって二子を無視していればそのうち気が変わるはずと思っているのだ。

大介と大同銀行の三雲頭取は、一緒に長期開発銀行の宮本頭取に呼ばれて、阪神特殊鋼の検査結果について詰問される。内容は、メインバンクの阪神銀行と大同銀行の融資残高が逆転していることの理由について。しかもそれ以外に阪神特殊鋼が高歩借りをしていること、売上を粉飾していることを指摘され、早めに会社更生法の適用を検討すべきだと申し渡される。三雲頭取はあくまでこのまま再建を続けることを主張するが、大介は受け入れない。結局、阪神特殊鋼の社長と、専務の鉄平を呼び出して経営再建計画を聴取することになる。

鉄平は、このことを三雲頭取から聞かされ、経理担当の銭高常務を詰問。融資状況を隠していることを問いただすが、大介の命令で経理を操作している銭高はまともに答えられない。鉄平は、三雲頭取から、「あなたが凡庸か、阪神銀行阪神特殊鋼の関係者が仕組んでいるかどちらかだ」「高歩借りや売上の粉飾を知らないのでは経営者失格」と直接烙印を押されて大ショック。だんだん鉄平も阪神銀行の内部がおかしいことに気がついてくる。

大介は美馬家を訪ねて、美馬中に「阪神特殊鋼の自力再建は無理。このままだと会社更生法適用」と告げる。鉄平に言う必要はないと念押し。

銭高常務は、大介から三頭取会議での答弁内容を念押しされ、引責辞職の場合に備えて退職金相当額の小切手を渡され、辞職後の世話は阪神銀行で行うことを申し渡されて、へいへいと大介をかばうことにする。三頭取会議では、銭高一人が泥をかぶり、阪神銀行は何も知らなかったことになる。鉄平はこの期に及んで、なお高炉建設の継続への支援を要請するが、まるっきり空気が読めていない。

三雲頭取は家に戻って、娘の藤村志保に、阪神銀行阪神特殊鋼を会社更生法適用に追い込むつもりだと告げる。その足で、日銀の松平総裁のところに出向いて、日銀からの特別融資を懇願するがすげなく断られる。万策尽きて、阪神特殊鋼は終わり。

大介は、箱根の永田大蔵大臣の別荘を訪ねて、「当行の損害は軽微だが、大同銀行は深手を負っているので、大同を合併したい」と頼み込む。永田は、暗に「カネを持ってくれば認めてもいいよ」と匂わせて、ニコニコで会談は終わり。


しかしこの話、前から不審なのだが、大同銀行の方が阪神銀行より規模が大きく、二行の阪神特殊鋼への融資額はほとんど変わらないのに、阪神銀行の財務への打撃が軽微とか、阪神が大同を吸収とか、どういうこと?どう考えても納得いかない。これはやっぱり原作を読むしかないのか。