アハトゥンク・ガールズ&パンツァー

モデルグラフィックス編集部(編)『アハトゥンク・ガールズ&パンツァー大日本絵画、2013


ガルパンの「公式戦車ガイドブック」。劇中登場戦車43種のCGデータ、車内スケッチと車両要目、アニメ登場時のエピソードが載っている資料集。本編を見ていると、これは非常においしくいただけるデザート。

なにしろ、それぞれの車両は登場ごとに塗装が変わっていたり、主砲が換装されていたり、増加装甲がついていたりするが、そのそれをカバー。あんこうチームのIV号は最初のD型、全国大会時のマーキングを変えたもの、主砲を換装してF2型に改造したもの、増加装甲をつけ塗装も変えてH型に改造したものがそれぞれ載っている。三面から見たデータ以外に、角度を変えたデータが何枚も載っていて、かつ改造部分をアップにしたデータもある。

特筆ものは車内設定で、実際には画面に映らないエンジンや転輪がどうなっているかがスケルトン状態で出ており、乗員の位置や姿勢もはっきりわかる。この部分は外側からの絵や写真だけではわからないのだから、実車を直接取材するか、ほとんど完璧な資料を手に入れるか、どっちにしてもたいへんで、しかも実際には静止画だけでなく、可動部分や細かい車両の挙動も描かれているのだから、たいへんな手間がかかっていることがあらためてよくわかる。

アニメで戦車ものをやるという企画がこれまでなかった理由がよくわかった。蛮勇がなければこれは作れない。作画が間に合わなかったのも納得。

同じ出版社からさらに「ガールズ&パンツァー モデリングブック」という、あんこうチームのIV号とカメさんチームの38(t)のプラモデル製作工程を全部写真で解説する本も出るらしい。プラモデルは作らないが、この本も買ってしまいそう。