呻け!モテない系

能町みね子『呻け!モテない系』ブックマン社、2009


このシリーズ(「モテない系」)の2冊目。こちらは読者からのネット投稿に著者がツッコミを入れる形式。

いろんな投稿があるが、みなさん、ちゃんと自分が「モテるタイプではない」ということをわかって、そこを大事にしていらっしゃる。実際に男性と交際がある/ないはあまり関係なく、交際相手や夫がいたり、子供がいる人もいるが、そのことをあたりまえと受け取っていないことが「モテない系」のポイントらしい。

また、著者のコメントとして、「モテない系は、ステータスじゃない。モテないことをプライドでしか考えていないのはただの変な人。自虐の心あってのモテない系」とあるのに非常に納得。モテる自慢は普通にバカだが、モテない自慢は痛いだけである。

それにしても投稿は、どれもいい加減には書かれておらず、自分のモテない歴を事細かに書き綴っていて、この問題がご本人にとってどれだけ重大かということがひしひしと感じられる。そりゃそうか。

モテないけど、そのことをなんとも思わないのではなく、自分の中に他人の視線を持っていて、自分の立ち位置を気にしている、というところへの著者の視点が慧眼。ちゃんと読み手の琴線に触れているのだ。