ドリカム層とモテない系

能町みね子『ドリカム層とモテない系』ブックマン社、2011


これが初めに図書館でまわってきたので、先に読んだが、実際は前著が2冊あり、この本は3冊目の続編。

著者は、女性を「モテ系」「モテない系」「圏外」の3種類にくくっているのだが、この本で取り上げている「ドリカム層」とは、「モテ系」と「モテない系」の中間層。女性性をアピールして、積極的に自分を売り込んでいく層と、意識的にモテに距離を置き我が道を行く層のどちらにも入らない、どっちつかずの人たち。当然、この層が一番多い。

この中間層のファッションやら、生活やら、人生設計やら、いろんなことについて、イラスト多用で図鑑風にまとめてみましたという本。この層は、自分にとってもっとも興味がもてない人たちなので、ふーんと思って読み流していたが、読んでいると、確かにこの「どっちつかず」の人たちが一番人数の多そうなクラスタだろうということはわかる。

田舎に住んでいたり、都会に住んでいてもあたりさわりのない生活をして、そのまま結婚して母親になり、人生をまっとうしていく人たち。ファッション系の話はほとんどわからないのだが、「持っているCDの数が20枚くらい」というくだりはとても腑に落ちた。普通の人は数百枚以上のCDなんか買わないのだ。そもそも特定の狭い趣味にズブズブに入り込むこと自体がないし。そういう人が多数というのが、社会の「あたりまえ」

考えてみれば、「モテない系」が多数の社会というのは異常だし、「モテ系」が多数の社会もある意味狂ってるという気がする。「圏外」が多数というのは、明治時代とかだったらあるかもしれないが、このご時世にそういうことはないだろう。いろいろと社会勉強になってしまったので、前著2冊も早く読まねばならぬ。