八重の桜 16話

「八重の桜」16話、「遠ざかる背中」


覚馬とうらの娘は火事の中からやっと助けだされたが、八重はそれでやっとうらの心を知る。八重自身も、尚之助との情愛を確認して、めでたしめでたし。

京都では、征長戦が中止になって、会津藩内が騒いでいるが、戦争は負けているのでそれどころではなくなっている。慶喜は、勝海舟を使者として長州に送る一方で、長州に兵を引くように命じる勅旨を出させる。勝は騙されて怒り、松平春嶽もあきれて国元に帰ってしまう。容保は「信義」を振り回して、慶喜に征長戦の完遂を迫るが、「幕府の立て直しがすべてに優先」という慶喜にあっさりいいくるめられるだけ。

西郷は岩倉と方針を協議するが、慶喜の幕府立て直しを恐れる岩倉に、西郷は幕府は潰すしかない、と動じない。

会津には、江戸から竹子(黒木メイサ)がやってきて、薙刀の試合で八重を負かしてしまう。しかも「鉄砲はただの道具、武士の魂がこもる剣や薙刀とは違います」と一蹴する。八重は「あの人には負けたくない」とくやしがる。

容保は、帝に直接呼ばれて「慶喜が将軍職を継いだら、国に帰ります。敵を作りすぎました。」と言上。帝にねぎらわれて感激するが、慶喜の将軍宣下の後、20日で孝明帝は崩御してしまう。容保が動揺しているところでおしまい。


八重は結婚エピソードの後、影が薄くなってきた。そのテコ入れが黒木メイサ。この役も戊辰戦争で死んでしまうので登場期間は短いのだが、黒木メイサは凛々しいのでこれはアリ。慶喜が、術策を弄しているのに、会津藩はあいかわらず情勢に取り残されている。孝明帝が死んだところで、強引に帰国してしまえばよかったのだが、容保のお殿様にはそれはできない。可哀想といえば可哀想だが、これで戊辰戦争になると登場人物の多くはバタバタ死んでしまい、相当鬱な展開が。会津視点だとこうなることは避けられないが、6月あたりは悲惨なことになりそう。