八重の桜 13話

「八重の桜」13話、「鉄砲と花嫁」


佐川官兵衛中村獅童)の後詰が京都に到着し、容保から「別選組」の名を頂いた。

会津では秋月悌次郎が山本家を訪ねて、尚之助に「仕官がかなわなければ、他藩に行ってもかまわない。会津藩は尚之助を受け入れるとは限らない」と告げる。それが覚馬からの言付けなのだ。尚之助と八重は呆然とするだけ。尚之助は象山の「蹴散らして前へ進め」という言葉を思い出す。

尚之助はやっと元込めライフルの新型銃を完成させる。洋書で勉強しているとはいえ、ライフルの実銃を作ったことがない尚之助がそんなものを作れるのか?とにかく、それを機会に、尚之助は八重に結婚を申し込む。八重は断る。その理由は、尚之助を会津に縛り付けておくことはいけないからだという。いつでもどこにでも旅立てるよう、自分とは結婚してくれるなとのこと。尚之助は、会津で生きていくと答え、八重は涙で申し込みを受けるのでした。

京都の会津軍は、長州征伐に備えて士気が上がっているが、長州の馬関が外国艦隊に襲われたと聞いて一同がく然。その頃、大阪では長州征伐の参謀になった西郷吉之助が、勝海舟を訪ねて戦の策を質問するが、勝の答えは、内乱など幕府のためにしかならないからやめろ、雄藩による共和政治をやるのだと説く。西郷は卒然として悟り、長州征伐を差し止めて長州の恭順で軍議をまとめてしまう。会津は幕府からも冷たい目で見られ、一橋、桑名と組むしかなくなってしまう。梶原平馬山川大蔵らはそれぞれ出世するが、大蔵は八重の結婚を聞いて複雑な表情。まだ気があったのか…。


山本家は、とうとう縁談が決まったので、一家で大喜び。しかし居候に嫁入りするので、嫁入り行列ができない。仲人には秋月がなり、西郷頼母の知恵で、秋月の家から山本家に嫁入りするという形式で、行列を出すことになった。桜の季節、八重の嫁入り行列でこの回はおしまい。


京都での大事件が薄い回だが、八重の嫁入りにちゃんと焦点があたっていてよかった。尚之助の微妙な立場と、それに対する八重の思いやりがよく描かれていて、八重の結婚がきちんとお話になっていた。多分、この回が会津側の人々にとって一番ハッピーなところで、後は薩長連合と倒幕派の拡大で会津の置かれた立場はどんどん悪くなり、会津に残った人々にも悲惨な運命が来ることになるので、そのことを考えるとこの回には万感の思い。本編が終わった後の「八重の桜紀行」では、尾張藩主二代の徳川慶勝徳川茂徳松平容保松平定敬の4人が美濃高須藩出身の高須四兄弟だったことを紹介していて、徳川方の人々の数奇な運命を見せてくれた。