八重の桜 9話

「八重の桜」9話、「八月の政変」


覚馬と公用方の秋月が、藩の洋学所を京都に設置する相談をしていると、薩摩からの使いが来て、「長州は帝の大和行幸を利用してそのまま帝を関東に行幸させ、倒幕の兵を挙げようとしているから、先に叩いてしまえ」と言ってきた。容保は、薩摩と組んで先手を取ってクーデターを起こすことを決意、

中川宮に運動して、計画ができ、会津と諸藩の兵で長州を外して御所の門を固め、長州藩は御所から追放、三条実美らの公家は参内禁止。長州兵は門にとりつくのを諦めて帰っていった。容保のところには、帝から宸翰と御製が来て、藩主と重役たちは涙にくれている。このくらいの上級武士は、和歌を音読されただけで即座に意味がわかったのね。

会津の国元では、藩主の義姉、照姫が女たちの薙刀稽古を観覧しに来た。その場には蟄居を命じられている西郷頼母の妻(宮崎美子)がやってきて一騒動。しかし、照姫が現れて「みな藩を思う気持ちが一つなら、いさかいがあっても一時のこと」と諭すので、みな感激でおしまい。

その照姫の右筆を藩士の娘から選ぶことになり、西郷頼母らは八重を推す。八重もすっかりその気になっていたのだが、結局右筆に指名されたのは時尾だった。八重は「自分のような者はふさわしくなかった」とがっかりするのだが、そこで川崎尚之助が、「八重さんがいなくては新式銃は作れない。あなたにしかできない仕事」と八重をなぐさめる。尚之助の言葉は、八重の鉄砲製作の技をほめるようで、なにげに自分の気持ちを伝えているようなのだが、八重は鉄砲の話しか頭に入っていないので尚之助の気持ちは華麗にスルー。


今回も当然京都中心の話で八重のエピソードは付録みたいなものだが、期待を持ち上げて落とす脚本がよくきいていて、ちゃんと見せ場はあった。尚之助がさりげなく気持ちを言っているのに、八重がまるっきりわかっておらず銃と兄様のことしか口にしないあたりもかわいくてよし。このレベルで八重の登場場面を維持できれば、毎回安心して見ていられるのだけど…。