重機の世界

高石賢一『重機の世界』東京書籍、2013


これは本屋で見つけて即買したのだが、かなりの拾い物。著者は重機模型専門店の店主。といってももちろん模型の本ではなく、ほとんどの写真は実物のもの。

建築関係の重機を、用途別に「掘る・積む」「吊る」「均す」「壊す」「運ぶ」の5章に分けて、それぞれの重機のタイプ、各部の名前、代表的なタイプの要目が出ている。写真は、新品状態のものだけではなく、実際に動いて仕事をしている状態のものが多数載っている。

仕事で扱っている人や、コアなファン以外は、巨大重機(鉱山用の重機は数百トンクラス)が実際に動いているところはなかなか見られないので、写真を眺めているだけで相当楽しめる。法面をつくる時に、モーターグレーダの刃がどういう角度に曲がっているかとか、そういう写真が満載。高圧線の鉄塔の上にクレーンが乗っかっている写真は、重機が自然に溶け込んでいて、非常にいい感じ。これは著者がまめにいろんなところを回って、写真を拾ってきた成果だろう。日本だけではなく、外国の現場での写真もたくさんある。

100ページほどの本で1900円だが、きちんとしたつくりで、非常にお買い得感の高い本。巻末に、外国での重機見本市(ドイツ、フランス、アメリカのものが載っている)と、日本にある重機を展示している施設が掲載されているのだが、日本の施設の場所は、石川県小松市(これは以前、「別冊アサ(秘)ジャーナル」で見た)、長野県伊那市静岡県伊豆市。どこも遠い…。家からは簡単には行けないが、この本を読むと、行きたい欲が募ってくる。