ニコニコ美術館「会田誠展:天​才でごめんなさい」

ニコニコ美術館「会田誠展:天​才でごめんなさい」
http://live.nicovideo.jp/watch/lv121986179


22日の「ぶらぶら美術館・博物館」でやっていた展覧会にニコ動が突撃していたというのを知って、タイムシフト視聴で見てきた。これはテレビよりさらにおもしろかった。案内役は、会田誠ご本人と、こちらも画家の山口晃

テレビは1時間番組だが、たぶん正味45分前後。こちらは1時間半あったので、単純に2倍。ざらっとだが、全部の部屋を回った。18禁のお部屋にも入ってくれてありがたい。ただし、作品中、女の子がバシバシ撃ちぬかれていちごやジェリービーンズがはじけている絵と、カラスが女の子をついばんでいる絵は、「未完、製作中」とのことで、カメラは作品に寄らせてもらっていない(「ぶらぶら美術館」の方では遠慮なくアップにしていた)。

山口晃は、2人で展覧会もやっているので、話は通じて当然なのだが、非常にトークがうまい。最初のうち、会田誠が恥ずかしがってスルーしようとする絵のところも、上手に拾っていて、絵を描くだけでなくてこういう才能もあったのかと感心した。

会田誠ご本人は、最初はあんまりカメラの前でベラベラしゃべるのが恥ずかしかったようだが、1時間半やっていると終わりの方では遠慮しながらいろいろ話していた。作家自身の話は簡単には聞けないのでとにかく貴重。キングギドラとフジ隊員の触手もの(これは18禁部屋)は、「とにかくセルに絵を描きたい」というアイディアが先にあり、となると浮世絵、そうなると春画、それをセルに描くとなると…というふうに順番にアイディアが出てきたと言っていた。

テレビ番組でも言っていたが、「引用」が多いので、その「元ネタ」の理解があると、奥まで作品を楽しめるだろうが、美術史に暗い自分でも、作品の圧倒的な迫力は直接感じる。ジューサーミキサーに入っている女の子、灰色の山に積まれているビジネスマン、オオサンショウウオにからみついている女の子、どれも絵として強力に訴えてくる。

しかもこれだけのバラエティーがあると、退屈するということがない。ご本人は、「自分には同じようにたくさんの作品を描くということはムリ」といっていたが、見る側としては、こっちのほうがおもしろいので大歓迎である。

「天才でごめんなさい」と言われて、こっちのほうが「天才の絵を見せてもらってごめんなさい」と言わなければしかたがないような展覧会。これは絶対に行くわ。

ちなみに、このニコニコ生放送の番組は、1月15日放送だが、期限を決めずに置いてあるようなので、タイムシフト視聴ができるアカウントを持っている人はいつでも見られるもよう。