月刊モデルグラフィックス 2003年1月号 ガールズ&パンツァー特集

月刊モデルグラフィックス』2013年1月号、ガールズ&パンツァー特集


この雑誌、買ったことがなかったのだが、ガルパン特集ということで買ってみた。大都会の本屋やamazonでは、即日完売らしい。田舎の大きな本屋ではそこまでのことはないらしく(なにしろ、広島ではBS11AT-Xでしか放送していない)、なんとか買えた。

基本はプラモデルの雑誌なので、がルパンに出てくる大洗女子高校の車両を、実際にキットで組んでみましょうという内容。最初はIII号突撃砲F型 1/35(サイバーホビー)を組み立て。塗り直される前の、赤と黄色に塗り分けられ車体、しかもだんだら模様をどうやって塗るかということを細かく説明。これはたいへんだ。ついでに、劇中のIII号突撃砲についている幟も再現。アニメの画面をよく見ていなかったので気づいていなかったが、車体前面には、"VINI-VIDI-VICI"と書いてある下に、翼を広げたワシの絵、車体後ろには、ドイツ・アフリカ軍団のマーク(当然鉤十字は書き換え)など、いろいろとマーキングも細かい。

ヒルさんチーム(八九式)の砲手、佐々木あけび役の声優、中村桜に、ファインモールド製の八九式甲型を実際に組んでもらう企画(この声優、ほんとにモデラーらしい)やら、38(t)の金色塗装をどうやって調合するか、プロデューサー、杉山潔のインタビュー、大洗の聖地巡礼など盛りだくさんの内容。ガルパンファンは買わざるを得ない。

中でもよかったのは、ガルパン美術設定のスケッチとアニメ画像で説明される各車のインテリア。戦車に実際に乗っているところを描くのだから、内部が描けていなければいけないのは当然だが、これは細かいわ。しかもいろんな方向から描けていないといけないのでたいへん。さらに、内部をただ描くだけでなく、乗員がどのような姿勢で乗って、どういう動きをするかを描けなければいけない。えらいことだ。

そして、この作品の主役、あんこうチームが乗るIV号D型のドラゴン製キットの紹介。これ、1/35だが、エッチングパーツ多数、インテリアも再現ということで、ものすごい数の部品なんだけど・・・。簡略化して組む方法もちょっと紹介されているが、これはほんとのモデラーでないと組めないと思う。

ガルパンに登場する大洗女子の車両は、プラッツから、このドラゴン製キットを簡略化したバージョンで発売される予定らしいのだが、たぶん中には、完全に組み上がった完成品だと勘違いして買う人もいると思う。ちがいますからねー。キットですから。知らないで買うと、後がたいへんですから。塗装もしなくちゃいけませんから。

プロデューサーインタビューでは、制作のどこがたいへんかについて、説明されていた。戦車の細かい挙動をアニメで表現するのは非常に難しく、CG技術とコストがある程度実用的になってきた最近になってやっとできるようになったのだという話。作品中では、路上、路外を問わず、戦車が高速で動きまわっているのだが、ただ動いているだけでなく、「それらしく」描くのはたいへんな手間がかかるらしい。その点、飛行機は、はるかに楽だとのこと。


この雑誌は、ひと通り読んだが、ガルパン使用のストームタイガー(痛戦車仕様)とか、日本の戦時標準船、スター・ウォーズガンダム宇宙戦艦ヤマトギャラガ・ファイター(あの、ゲームのギャラガをキットにしてる・・・)、巡視船「いず」、空母龍鳳、探査船「ちきゅう」、さらにはT-28や、A-39トータスまで、こんなものまでキットになっているのかと驚くような物が連発。プラモはおそろしいわ。