赤い糸の女 40話

赤い糸の女」40話


芹亜は、栃彦に、「唯美が不倫している」とデタラメを吹き込んでいる。栃彦は、「相手を教えろ」と迫るのだが、芹亜は、
「女房を信用できなくなってるんじゃ終わりってことよ。 」
「上辺は純朴そうでも陰では何を言ってるかわからないのよ~? 」
限界集落の年寄りだって、「あいつの女房は都会で売春やってたんだってよー」って、もう見放してるわよ。」
と、栃彦を煽りまくる。

栃彦は、土地を更地にして返すために、ぶどうとりんごの木を切り倒し、切り倒した木を燃やして泣いている。夜は呑んだくれて、家にはよりつかない。唯美は、栃彦との関係をどうするかもよくわからなくなっている。工房に娘を連れてやってきた唯美だが、そこにいきなりやってくる小沢真珠
「汚らわしいわ~。ここには出入りしないで頂戴! 」
「しらばっくれるんじゃないわよ。売春してたような女に、うちの敷地内をうろちょろしてもらいたくないのよ~。 」
「子供の前ですよ?そういうこと言っていいと思ってるんですか? 」
「売春婦の子供じゃないの!かっこつけるんじゃないわよ! 」
「売春婦だから売春婦って言っただけなのに、何が気に入らないのかしら? 」
「あの整形美女がそう言ってるんだから間違いないじゃないの。 」
「男なら誰でも食いつく、こんなダボハゼ女と一緒につるんでるんじゃ、栃彦も農地取り上げられるの当たり前よ! 」
というわけで、むちゃくちゃ言ってるなあ。真珠様。

栃彦は、芹亜に呼ばれて、芹亜の揃えた高価なオーディオセットで音楽を聞かされる。
「ああ!ブラームスブラームス交響曲第一番。 」
「人工的なこの音響は、電力が引き出すのよ?決して自然な音響じゃないわ、でもたまんないでしょ~? 」
「生き返るみたいでしょ~。細胞の一つ一つが、呼吸を始めたみたいでしょ? 」
「消費文明に背を向けて、ナチュラリストのふりなんかしても、あんたの身も心も、技巧を駆使した、こんな音楽を求めたのよ~。 」
「セックスしてるみたいでしょ~?エクスタシーでしょ~? 」
「あ~あ!なんとも言えない!体が音楽に浮かんでるみたいだ。 」
ということで、芹亜が栃彦にキス。

「じゃああたしの体を貪りなさい。 」
「このおっぱいいい形でしょ? 
「感じるのか?」「感じないでどうするのよ」 
「じゃあ抱ける?何もかも作り物のあたしを抱ける? 」
「抱けるならあんたのナチュラルなものを、あたしによこしなさいよ。 」
「ああ、やってやる! 」
「あんたの顔も体も、どこもかしこも作り物だと聞いたら、かえってムラムラしてきた。 」
「う、すごいじゃん!…やりなさい、思い切りやりなさい! 」
とうとう芹亜は、下着だけ脱いで栃彦に馬乗り。栃彦、食われてしまったかー。それを部屋の外で聞いているのが、韓国人のヴァオイリン兄ちゃん。

デイケアセンターでは、いしのようこが、ボケボケの毬谷友子を、土地取り上げのことで追及するが、叩かれたついでに毬谷友子を突き飛ばして怪我をさせてしまう。当然、小沢真珠はカンカンに怒って、徳須の責任を追及。
徳さんと芹亜は、
「一発ぶっこんでやるしかないな! 」
「ああいう女と一つ屋根の下で暮らすと思うと、ぞっとすんな。 」
「あんたもなあ、アバンチュールはほどほどにしてくんないと。上のベッドに男引っ張り込んじゃ、ラブホテルと間違えられるからな~。 」
「でも、いい男なのよ、栃彦…あの男が欲しいわ~。 」
と、不穏な会話をしている。この2人の会話はいつも不穏だが・・・。

芹亜は、1人で、唯美の家を訪ねていく。
「風の音が変だったわ。あなたが森を通り抜けてくると、木々たちが異変を感じて小枝を震わせるの。 」
「アハハ…魔女みたいに言わないでよ。 」
「あなたが相手じゃお茶のもてなしもしたくないけど。何の用かしら? 」
「興奮しないためにはこのお茶がいいの。どうぞ。 」
「あたし、栃彦さんとセックスしたの。 」
「今まで数え切れないくらいの男と寝たけど、好きになった人は誰もいないのよ。だけど違った。栃彦さんは違ったの。 」
「最初は、あんたの亭主だから好きなのかと思ったの。あんたの男をふんだくってやる快感かしらって。 」
「よくもまあぬけぬけと! 」
「まあ、興奮しないで聞いてよ。お互いにこのお茶飲んでね。 」
「あたしね、今まではセックスするとき、この体も顔も作りものなんて、必死で隠してたんだけど、栃彦さんには何もかもバラしちゃったのよ。 そしたら、なんかほんわかとしていいのよ。言うに言えない開放感があって、良かったの。とても良かった。 ホントに初めて。男を好きになったのは初めて。 唯美、栃彦さんをあたしにくれない?…ねえ、ちょうだいよ?お願いだから頂戴! 」
唯美は、ボー然。

次回予告。栃彦は芹亜に食われた後、上田を出ていくようす。真珠様は、徳さんと結婚か?今週でおわりなのだが、結末がまったくわからん・・・。