平清盛 32話

平清盛」32話、「百日の太政大臣


清盛は大納言に昇進したが、朝廷内にいる味方は、婿である摂政の基実だけ。基実の兄弟、基房、兼実らは平家嫌いで、清盛が何か言っても、朝議でまともに相手にされない。その基実も、平家の後ろ盾となっていることで、弟たちからイヤミを言われている。

後白河院の近臣、成親は、院に清盛との関係を深めるように建言するのだが、院はk清盛は自分にひれ伏すはずと、相手にしない。そうこうしているうちに、基実が頓死。その後を襲ったのは基房なので清盛は頭を抱える。そこに先代忠通の家司だった邦綱がやってきて、死んだ基実の所領を基房ではなく、未亡人になった清盛の娘、盛子に継がせて平家の財にすることを献言する。清盛は一安心。

そして後白河院の后になった滋子が清盛を訪れ、自分と院の間に生まれた憲仁親王の後ろ盾になるため、東宮大夫になってほしいと頼みに来る。清盛は、大納言では朝廷内で押しがきかないからと、内大臣に昇進させてもらうことになる。もちろん、清盛はさらに右大臣、左大臣と昇っていくつもり。

内大臣になった清盛は、節会を盛大に催して贅を尽くした宴席にするよう、重盛、宗盛に言いつける。当日、舞を披露する時間になってもその役にあたっていた女が現れない。動揺する清盛のところに変な仮面をつけた後白河院が現れ、基実の所領相続のことも、東宮大夫内大臣のことも、みな自分が図ってやらせたことで、内大臣の次には太政大臣にしてやるが実権はないポストなので出世はもうおわり、武士はいつまでたっても犬のままだとニヤニヤ笑い。

清盛はむかっとするが、そこにいきなり乙前が現れて舞を披露して場を収め、清盛も院にイヤミを返してその場は終わり。清盛は乙前を邸に呼んで、いっしょにすごろくをするのでした。清盛は、のちに太政大臣に上り、百日でその地位を辞するが、平家一門の官位をあげられるだけあげ、一門の地位を盤石にするのだった。

一方伊豆に流されていた頼朝は、自分の監視役、伊東祐親の娘とデキて子供を産ませてしまい、けっこうよろこんでいるのだが、平家に仕えてその強大さを知る祐親は、生まれた子供を殺してしまうのでした・・・。


この話では後白河院と清盛が、ずっと敵同士みたいに描かれているが、話の展開上もちょっとムリがないか?後白河院が平家を押さえつけたいだけなら、そもそも出世させなければいいだけのことで、摂関家の基房、兼実との違いがあまりはっきりしない。だいたい清盛の地位が大きくなるまでは、清盛と後白河院は提携関係にあったわけで、お互いがロコツにイヤミや攻撃をやったりするか?

それから乙前=祇園女御松田聖子)が、こんな時期にいきなり現れるって、おかしいでしょ!年齢が合わないわ。そもそも白河院が存命の時にそれなりの地位にあったはずでは?その人物が清盛がいい年になってからほとんど前と変わらない姿で出てくるか?松田聖子の政治力だかなんだかよくわからないが、お化けだなー。

清盛はそれなりにかっこよくなってるし、話はそれなりに動いているのだが、摂関家の基房、兼実はともかく、話をムリに単純にしようとしているみたいだ。最初の頃に登場人物多すぎ、話わかりにくすぎ、と批判されたのでこうなっちゃったのかねぇ。いろいろとむずかしいものだ。

頼朝の子があっさり殺されるくだりは、祐親の娘の芝居があまりうまくないのだが、なかなかに話が締まってよかった。頼朝も、のんびり流人生活をエンジョイしてもらっても困るし。