平清盛 30話

平清盛」30話、「平家納経」


この回はなかなかおもしろかった。

平時忠森田剛)が、基盛、教盛を引き込んで、後白河院と滋子の間に生まれた皇子を東宮に据えようとするのだが、これが二条帝にばれ、二条帝は激怒。清盛は、帝に平伏し、企みに関わった者たちを即刻解官する。

一方、讃岐に流されていた崇徳院がひさびさに登場。崇徳院は写経を後白河院に送るのだが、これを突き返された上に、仁和寺に入っていた子の重仁親王が亡くなってしまい、怨みで半狂乱。というかほとんど狂人になっていく。この回、崇徳院は何回も出てくるのだが、後になるほどメイクがお化けみたいになっていき、目は血走り、髪を振り乱し、爪は伸び放題、本物の物の怪のようになっていく。井浦新はよくやった。

平家では基盛が頓死してしまい、清盛はなげくことはなはだしい。平家の館に経をあげにきた西行は、「これは讃岐の崇徳院の怨霊のしわざ」と言い出し、清盛は考えこむ。

摂関家の長、忠通は、清盛を呼び、清盛の娘を息子の基実の妻にしてくれるように頼む。元は平家を馬鹿にしきっていた摂関家だが、もはやそんなことは言っていられない。清盛は話を受けて引き下がる。清盛ももう中納言

清盛は、保元の乱平治の乱の犠牲者を弔い、一門の繁栄を願って、一門総出で写経を行い、経典を厳島神社に奉納することを宣言する。ここは平家納経をつくる過程がいちいち映っていて非常に見所になっている。画面に映った完成品は本物かと思っていたが、さすがに国宝を小道具にするわけにはいかないらしく、精巧なレプリカだとのこと。しかし当然素人に見分けのつくようなレベルのレプリカではない。

経典を安芸の厳島神社に奉納するため、船で向かう途中、一行は暴風雨に襲われる。経典を海に沈めて難を逃れるように説く一門に、清盛はなんとしても経典を奉納するため航海を続けるように命じる。やっと厳島神社に到着する一行。清盛は、途中で寄港した摂津福原に都をおくことを思いつくのでした。


崇徳院の狂乱ぶりと、平家納経の製作過程がかなりおもしろく、ひきつけられる展開。これで「第二部」が終わって、次から頼朝が成人し、平家の栄華が極まる「第三部」になるらしい。あと20話くらいあるけど、けっこうおはなしは持ちそうな感じだ。次回もたのしみ。