アフリカ

NHKスペシャル」取材班『アフリカ 資本主義最後のフロンティア』、新潮新書、2011

NHKスペシャル「アフリカンドリーム」の内容をディレクター達が書籍化したもの。

取り上げられている国は、東アフリカばかりで、ケニアウガンダルワンダエチオピアタンザニアザンビアボツワナジンバブエ南アフリカ

テレビ番組の内容をそのまま本にしているので、あまり分析的な内容ではない。それでも、東アフリカが停滞状態を脱しつつあることはよくわかる。そこに手を貸しているのは中国。番組の都合上強調されているというのではなく、現実に実益と長期戦略の両面から、中国が東アフリカ(この本の範囲では、エチオピアザンビア)の囲い込みに乗り出していることは明白。日本はもはや金もやる気もないようだ。

ジンバブエのような破綻国家ですら、食えなくなった住民は隣の南アフリカに移民として流れ込んで、低賃金労働者として稼いでいる。従って、南アフリカジンバブエをセットで考えれば成長。おそらく他も同じだろう。アフリカでの国境管理のいい加減さは、こういう面ではプラスに働いている。

明るい点だけを重点的に取り上げているので、暗部についてはあまり触れられていないが、それでもこれだけの成長力はあなどれない。アフリカはたしかに「資本主義最後のフロンティア」のようだ。