平清盛 25話

平清盛」25話、「見果てぬ夢」

信西は、完全に権力を握って、やりたいことをどんどん実行。反対派は無視。おかげで朝廷内で次第に恨みを買うことに。特に二条天皇の親政に加担する公家と、信西近衛大将就任の邪魔をされた信頼は信西への憎しみを募らせる。特に信頼は「近衛大将は、さして功もない者がつく官職ではない」と面罵されているので、恨みが深い。信西は、後白河院に「長恨歌」の巻物を贈って、側近の重用を戒めているが、あまり真剣には受け取られていない。

義朝のところでは、由良御前の容態が悪くなり、清盛は宋から伝わる薬を義朝にすすめるが、義朝は出世で引き離されたプライドが邪魔をして、薬を受け取れない。それでもいよいよ末期も近くなると、義朝が自分で清盛から薬をもらってこようと言い出すのだが、今度は由良御前自身が、「平氏などの風下に立ってはなりませぬ」と止める。結局由良御前は死去。

子の頼朝は、後白河院の姉、上西門院の蔵人になり、院の殿上始の席で、酒をつぐ係になる。筆頭に座るのは清盛。頼朝は清盛に注ぐ酒をこぼしてしまう失態を演じ、清盛に「最も強き武士は平氏。源氏は大したことはない」となじられる。

館に戻って、頼朝は義朝に清盛の人となりを尋ねる。義朝は若い時に競べ馬で清盛に勝って、清盛を挑発した話をする。それで頼朝は、殿上始での清盛の態度の真意をさとる。

信西は、宋との間にかつての遣使を復活させることをはかる。宋との交流は、信西の若い頃からの夢。清盛は信西の夢に協力することを誓う。信西は大願成就のため、清盛に熊野詣をするように頼む。

清盛が一門を率いて熊野詣に出かけたところで、信頼、二条帝親政派、義朝らの反信西クーデタの動きが始まっていた。信西は館にいて、突然大勢の軍兵が押し寄せる物音に気づき、呆然とするのでした。


今回は、まるっきり信西メインの回。まあ来週には死んでしまうのだからこのくらいは当然か。阿部サダヲは、信西にしてはちょっと若いような気がするが、他の役者も若いし、何より頭脳明晰で果断実行の信西のキャラをちゃんとやりきっている。やはりいい役者は違うわ。逆に信頼役の塚地武雅は、単なるデブで何もしていないのだが、存在感と眼力だけでちゃんと自分をアピールできている。これも違う意味でいいと思う。

田中麗奈の由良御前は、今回で退場。これも性格きつそうな義朝の正室を遠慮なく演じていてよかった。武井咲常盤御前にあんまり存在感がないのとは対照的。このドラマに現時点で出ている女優の中では一番よかったのに。

ちょうど今回が全放送回の中間。来週が平治の乱後白河院以外の個性のある脇役がいなくなってしまうのだが、だいじょうぶなのかな。