平清盛 24話

平清盛」24話、「清盛の大一番」

信西は内裏を新築し、その資金は清盛が出したことを帝に注進。おかげで平氏一門の官位が一段引き上げられる。清盛の公卿昇進はおあずけになったが、重盛が従五位上になったことで清盛はご満悦。しかし、重盛は保元の乱で叔父を手に掛けた父のことが納得いかない。

信西は次に、「相撲節会」などの行事を復興させることを図って、そのために税の取り立てを強化しようとする。まず標的になったのが税がなかなか集まらない鎮西=九州。信西は清盛に、大宰府に直接赴いて税を取り立ててくるよう、頼む。清盛の条件は自分を大宰大弐に任じること。

一方、後白河帝は、美福門院から養母になっている守仁親王への譲位を求められるが、断る。後白河帝は美福門院にいやがらせをしたいだけ。

義朝は保元の乱の恩賞が軽いと不平を言いに行くが、信西は会ってもくれない。

清盛は大宰府に出向いて、大宰大監原田種直に面会する。種直は暴れ者を鎮めるのに費用がかかると言い訳するが、清盛は種直が私腹を肥やしていることをすぐに見抜く。連れてきた兎丸を暴れさせ、種直に迫って税の調進を約束させる。それを信西に送るだけでなく、清盛は相撲節会の宴席の膳を自分で調進すると請け負う。

清盛は藤原成親の娘を、嫡子重盛の妻に迎えることを決める。宴の席で、重盛は「嫡男としての覚悟がない」ことを理由に、いきなり婚礼を断ろうとするが、清盛に投げ飛ばされておしまい。

一方、相撲節会の宴席では、鶏肉の膾や茹でた海老などが膳に並ぶ。後白河帝が感心したのは、茶器と宋からわたってきた茶。信西から、それらは清盛が鎮西から税を取り立てて調進したことを聞き、帝はその場で清盛を大宰大弐に任ずることを命じる。

帝は、守仁親王を呼び、欲しければ玉座はくれてやる、と譲位を言い渡す。理由は玉座にいては「あいつ=清盛」と遊べないから、とのこと。



この回は、重盛、基盛、頼朝という源平の青年期になって役者が変わって出てきた。ちょっと線が細いけど、松山ケンイチ玉木宏より存在感があっても困るわね。清盛が、播磨守のまま大宰府に税の催促に行ったり、後白河帝が宴席でいきなり大宰大弐に清盛を任じたり、なんかおかしいような気もするが、考証家がこれでいいと言っているからいいのかな。

播磨守、大宰大弐は実入りの良い官だが、位はどうなっているのかと調べてみると、正四位下で変わってないのね。公卿になるのは平治の乱の後。さしあたりは位の昇進より、カネになるポストをとっていたということか。実入りのない官(義朝の左馬頭)がぜんぜんメリットになっていないことはドラマからもわかる。

相撲節会の膳がわざわざ大写しになっているので、鶏肉や茹で海老が当時の食材として非常にぜいたくなものだったことがわかる。海老を持ってくるのは、若狭か摂津から持ってこなければならないし(明らかに海でとれる海老)、足の早い食材だからそれは納得。昔の人は貴族といえども、あまりろくなものは食べていなかったということ。

このペースだと再来週あたりで平治の乱になりそう。話が軌道に乗ってきた感じ。