We are 宇宙兄弟 宇宙を舞台に活躍する人たち

モーニング編集部、門倉紫麻『We are 宇宙兄弟 宇宙を舞台に活躍する人たち』、講談社+α新書、2012

帯には『宇宙兄弟』公式副読本とあって、『宇宙兄弟』が実写映画化されるので、その関連本として出版されたらしいことがわかる。といっても、こちらは『宇宙兄弟』のマンガはぜんぜん読んでいないので、そちらとの関連はまるっきりわからない。読んでみると、別にマンガのストーリーや登場人物のことはまったく出てこないので、マンガとは独立に読んで成り立つようになっているから不都合はなし。

内容は、日本で宇宙開発に関わっている人たちへのインタビュー集。大きく分けて、ロケットや衛星、ロボットのような宇宙に行くことに直接関係する活動をしている人と、難病の治療法、遺伝子、太陽研究といった、宇宙に行って、その環境を利用して何かをしようとしている人の両方にインタビューしている。ホリエモンから、JAXAの開発担当者、医学者など、いろいろ出てくる。

総じて登場人物はみな熱い人ばかり。『宇宙兄弟』がそういう人を描いているからそうなのか、宇宙開発などという分野に関わっているからそうなるのかはよくわからないが、とにかく普通の研究者、技術者ではない、強い情熱を持っている人ばかり。でないと、あまり経済的に引き合わない割に、お金は非常にかかる分野に首をつっこむのはむずかしいのかもしれない。

ホリエモンと、「植松電機」という会社でロケット開発をしている人の話は特におもしろかった。まあベンチャー企業だし、事業の内容が宇宙だから、ちょっと変わった人なのは当然か。他の人々も明確に目的を設定して、それに全力投球という点では同じ。

買ってみて気がついたのだが、この本には姉妹本があって、そちらは宇宙飛行士へのインタビュー集。そっちから読んだほうがよかったかもしれない。この本は非常に早く読めたので、宇宙飛行士の本の方も読んでみようと思う。