平清盛 16話

平清盛」16話、「さらば父上」

源為義は、摂関家の忠実の命で、忠通の館に押し入り、氏長者の証になる器を強奪。義朝には「盗賊も同じ」と罵られるが、「生き残るためにはなんでもする」とすずしい顔。

一方、栄達の続く平氏は、忠盛が刑部卿、清盛が安芸守という出世ぶり。こちらは美福門院得子の推挙のおかげ。もっとも忠盛は病床に伏している。

清盛は安芸国に出向き、厳島神社の社司に迎えられる。これは厳島神社のロケかと思ったら違った。とんでもないボロ社殿。いまの厳島神社は、清盛が造営したものなので、その前はこうでしたというおはなし。言われてみればそのとおり。

摂関家では、悪左府頼長が氏長者を宣し、内覧の地位についた。摂政忠通はことを美福門院に相談すると、美福門院から「もっと頼長を煽れ」と言われる。増長した頼長は、院の近臣、家成の家人が無礼を働いたと怒り、為義に対して家成の館を襲えと命じる。義朝はまた反対するが、父には無視されてしまう。義朝は、常磐武井咲に慰められ、ほろっとして抱きしめる。

為義は家成の館を襲うが、実はそれが美福門院の仕掛けた罠だった。美福門院は、平氏に頼長を襲うように命じる。しかし安芸国から戻ってきた清盛は、院と摂関家の争いに巻き込まれたくないと、美福門院の命を断るように父に言う。忠盛は「われらが太刀を振るうのは武士の世をつくるため」と宣言するのでした。

忠盛は、一門を集め、今後のことを命じる。忠正には一門を支えるよう言い、清盛ら息子たちには形見分けをし、家人たちには後のことを頼んだ上で、平氏の次の棟梁に清盛を指名する。

清盛は再び安芸国に向かうが、道中、忠盛と太刀を合わせる幻を見る。忠盛卒去。


この回、視聴率がまた下がったとか書かれていたが、とても出来のいい回。何より、忠盛がかっこいい。病で少しふらついたさまや、病をおして一門に後事を託すところ、などなど、演技がことごとくうますぎ。もうちょっと年がいけば、威厳のある老人役はみなこの人がやるようになるだろう。だいたい中井貴一ってまだ50歳くらいだろう。まあ昔から上手な人が老けてからもどんどん上手になってるだけだけど。

来週からやっとほんとうの意味での清盛主役のおはなし。視聴率がどうのとか雑音を気にせずにおもしろい話になってほしい。去年の「江」みたいなバカ話とか、一連のホームドラマみたいな大河ドラマより絶対よくできているとおもうけど、そんなに人気ないのかな。