アイ・ウェイウェイは語る

ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(尾形邦雄訳)『アイ・ウェイウェイは語る』、みすず書房、2011

艾未未のことは何も知らないのと同様の状態で読んだが、けっこうおもしろかった。著者のオブリストはキュレーター、美術評論家で、この本は艾未未に対して、自宅、北京、ドバイ、ロンドンで行われたインタビューをまとめたもの。

この本には艾未未の若いころの写真ものっているが、ふつうの髪型で、ちゃんとやせている。ひげも生やしていない。まあ当然ですが。

艾未未の芸術作品についてほとんど知らないで言うのもどうかと思うが、どこを読んでもおもしろいのは、この人の自由さと人間的な懐の深さによるものだろうと思う。艾未未は、キュレーションやら建築デザインやら、他人といっしょにやる仕事、他人のコーディネートをする仕事を多くしている人だが、人間的なおもしろさと明るさがあってのことなのだろうと思う。

そして艾未未が一人でしている仕事の中心がブログ。とにかく書きまくり、写真をとりまくっているというのはこの本で知った。まあ精力的な人でないとアーティストはつとまらない。ブログはもう見られないのが残念だが、英訳は出版されているようだ(MIT Press, 2011)。買おうかなあ。

巻末に坪内祐三が文章を書いているが、これはどうでもいい。なのに、訳者の名前より坪内祐三の名前が先に出ているので、非常に変な感じ。なんだかねぇ。