カーネーション 134-139話

カーネーション」134-139話、第24週「宣言」

カーネーションは、先週もたついていたような感じがしていたのだが、今週の話は非常によかった。渡辺あやはさすがだなあ。ちゃんと盛り上がるところをうまく持ってきている。

先週、譲(川岡大次郎)と栄之助(茂山逸平)が持ってきた、糸子のデザイナーズブランドをつくるという話、糸子はいったん断るが、階段から落ちて骨折。あわてて東京からかけつけてきた優子と直子は、こんなことでは危ないから引退して東京で暮らせという。これを断然拒絶した糸子は、とうとうデザイナーズブランドの話を受け入れる。

従業員の尻を叩いたり、新しいデザインを工夫する糸子だが、この企画を助けている商社員の高山(藤間宇宙)は、ブランドの宣伝にどうしても三人の娘に協力してもらわなければならないという。優子と直子の言葉をはねつけた糸子としては娘たちに頭を下げたくないのだが、結局娘たちに協力してもらうことになり、テレビのワイドショーに三人の娘といっしょに出演する。

ブランドのオープニングパーティーの席で、糸子の孫、里香は母親の優子に、家に戻って高校に通うことを告げる。糸子は会社の仕事が立て込んでいる中で、里香に別れを告げる。その後、夏のだんじり祭に娘たちと里香が集まり、糸子は懐かしい日々を思い出す。


今週は糸子のブランド立ち上げという大事業があったので、これでかなり話を引っ張れた。あいかわらず夏木マリの関西弁は板についていないが、話が展開しているのでそれほど来に鳴らなくなった。

そして今週、重要な役どころをやりきったのは、孫の里香=小島藤子。先週、糸子から「ジャージを脱ぐか、東京に戻るか、どちらかにしろ」と迫られてとうとうジャージを脱ぎ、今週は糸子を介護したり、会社の人々に食事をつくったり、ブランドの発表会に出たりという、後ろに回った役。しかし、肝心なところにはかならず姿を見せていて、糸子の仕事への献身を見ながら自分自身が変わっていくという部分をうまく見せていた。土曜日の回で、東京から戻ってきたときにはじめて髪を黒にして、ちゃんとした服を着ていたが、けっこうキレイな女優。糸子との別れのやりとりもちゃんと決まっていて、芝居もできている。どこから拾ってきたのか知らないが、逸材。

驚いたのは来週の予告編。なんと結婚していった「奈津」が再登場する。当然役者は変わっているが…。このために奈津はフェードアウトさせられていたわけね。あらためて脚本家の手腕をみせつけられた。

NHKの「カーネーション」ウェブサイトに、渡辺あやのインタビューが出ていた。来週の土曜日に後編が掲載されるらしい。基本的な執筆に対する考え方や、意外なエピソードが出ていて、必見の内容。
http://www9.nhk.or.jp/carnation/special/watanabe/index.html