N響アワー 最終回スペシャル1

N響アワー」 最終回スペシャル1「心に残る名演奏」

N響アワーがとうとう3月で終わってしまう。ウェブ記事で見たかぎりでは、去年Eテレの「芸術劇場」が終わってしまったおかげで、N響アワーの枠でN響の演奏しかやらないのは音楽番組の構成としてバランスを欠くから、クラシック音楽全部をカバーする新番組として再編する、というのが終了の理由だそうだ。

まあそういわれれば仕方ないし、N響のコンサート自体は、日曜日の朝にBSプレミアムで全部やっているからそっちを見てください、ということなのだが、この番組は2ちゃんでの実況用に最適だったし、特に池辺晋一郎から後のMCはトークもおもしろくて、それがたのしみだったので、終わるのはとてもざんねん。改変ついでにFM放送の「気ままにクラシック」も終わってしまい、ショックが大きい。あちらは毎週じゃないけどたまに聞いていて、おもしろかったのに。

この放送でわかったのは、N響アワーの第1回は1980年4月、サヴァリッシュが登場してベートーヴェン「田園」のリハーサルをしていた。わたしが子供の頃は「NHKコンサートホール」という名前の音楽番組があったと思うので、その後かな?

で、今週と来週でこれまでの放送を振り返ってさよならしましょうという企画。今回のゲストは元N響コンサートマスターの徳永二男。かかった演奏は、いまはなきマエストロたちの名演。

最初はホルスト・シュタイン指揮の、「ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲。これはいいわ。N響やるなあ。シュタインのワーグナーは1枚も持っていないので、これはほしくなった。

それからスウィトナー、ライトナー、ヴァントの三人がベートーヴェンの5番冒頭部分をどのように振るかを比べるという企画をやっていた。これはおもしろい。スタイル違うなー。

そしてマタチッチ指揮のブルックナー交響曲第8番」の最後の部分。わたしはあまりブルックナーをまじめに聞いていないのだが、これはスーパーすごい。こんなに音が鳴るのか。はああ。やっぱり違うわ。マタチッチは、練習の時に絶対椅子を使わなかったそうだ。

最後は、サヴァリッシュ指揮のブラームス交響曲第4番」の第4楽章。これはサヴァリッシュ自身によるピアノでの楽曲解説付き。この解説も渋いのだが、第4楽章すばらしい。ゆっくりめのテンポでひとつひとつ音を刻んでいく感じだが、構成の明確な、古典派のようなブラームスという感じ。

NHK、どのくらいN響演奏会のビデオを残しているのだろうか。ここで流すのだったら、他でも流すとかソフト化するとかできないのだろうか。もったいない。