金正日総書記 中央追悼大会

金正日総書記 中央追悼大会」、ニコニコ生放送、2011.12.29

これは朝鮮中央テレビで去年の12月29日に放送された番組をニコニコ生放送で同時送信したものをタイムシフト視聴で見た。全部で約3時間半。さすがにすべてを集中して見るわけにはいかなかったので、ちゃんと見たのは最初の1時間弱(ここまでが平壌で行われた「中央追悼大会」)。金永南が最初に追悼の辞をのべ、党代表の金己男、軍代表の金正覚(総政治局第1副局長)、青年組織代表の金日成社会主義青年同盟第1書記(名前は聞きそこねた)の順で弔辞。

この後、棺を天井に載せた霊柩車に従う金正恩ほかの幹部たちが行進する映像や、沿道の様子、最後に棺が錦繍山記念宮殿に運び込まれるところまでがえんえんと映る。新聞やテレビで「映像が編集されている」と報じられていたが、3時間あまりで霊柩車が平壌から錦繍山まで行くところを全部ライブで追いかけるのはないだろうから、編集はあたりまえ。映像の一部がリピートされているのも別に驚くようなことでもない。

中央追悼大会が終わった後、しばらく音楽が流れていたが、「インターナショナル」が演奏されていたので驚いた。いちおう北朝鮮って、国際共産主義にまだ片足を突っ込んでいるつもりだったのか。もうとっくに縁は切れたと思っていたので、非常に新鮮に感じた。「金正日将軍の歌」が何度も演奏されていたのは当然として、朝鮮音楽の名曲がいろいろと。ツイッターチョソンクラスタの人たちが色めき立っていたのはこれだったのね。

中央追悼大会に集められた人数はよくわからないが、10万人はくだらないだろう。動きに乱れがまったく見られないのはさすが。まあ、この式典で目立つ失敗をすればたいへんだから、出席者は緊張し続けだったことだろう。スターリン毛沢東、そして金日成の葬儀はこういう映像で見たことがないのだが、基本的に先例に倣っているに違いないので、同じパターンで進められたのだろう。

中央追悼大会の演説と、朝鮮中央テレビのアナウンサー(これが例の李春姫)の読み上げ部分については、同時通訳(日本語はややたどたどしかったので、おそらくネイティブの韓国人)が入っていた。3時間半見ると、葬儀の重々しい雰囲気が哀悼の気持ちなどかけらもないこちらにまで伝わってくるから、映像の力というのはやはりたいへんなもの。儀式の力を実感。

ニュースの中でクリップされた映像が流れていたのは見たが、3時間半、これを流せたのはニコ動のおかげ(それでも途中でカットされていたが)。こんなものをずっと見ることができるのだから、ニコ動はほんとうにありがたい。