クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」、原恵一監督、シンエイ動画テレビ朝日、ASATSU、2001

これは以前から名作という評価だけ聞いていて見ていなかったのだが、テレ朝チャンネルで放送していたので録画してみた。いや、これはおもしろい。最初の万博会場が再現されているシーンでまず感動した。パビリオンだけでなく、会場内にあったいろんなアイテムが忠実に再現されている。自分は「日本万国博覧会 公式ガイドブック」を穴が開くほど熟読していたので、「よくこのアイテムをここで取り上げてくれたわ」と感動した。リアル万博の時は、人間洗濯機とか、空中レストランとか、将来はこうなると勝手に思っていたものだが…。

映画の中にはいろんな作品のパロディ(ブルース・ブラザーズなつかしい)が埋め込まれているほか、出てくるアイテムはすべて60年代から70年代のアイテム。セリフの「国会で決まったのか?」とか、ひさしぶりに聞いたわ。

スバル360と猫ペイントのバスとの追跡戦、東京タワーを模したタワーでの野原一家とケン、チャコの手下たちとの追いかけっこも非常に見ごたえアリ。ちょっと「ロイドの要心無用」を思い出す。

また、この映画全体が、「三丁目の夕日」みたいな昔ノスタルジーに乗っかりながら、ノスタルジーに浸っている人たちへの逆説的な批判になっているところもいいと思う。はっきり言って、「三丁目の夕日」みたいな話はファンタジーとしてもどうかと思うし、あそこまで「昔はよかった」みたいな話をされると、あほらしくて見ていられない。その点、この映画は危ないところを首の皮一枚つながっている感じがする。

いろいろ見逃しているアイテムも多いと思うので、見返してみるといろいろとまた発見がありそう。佳作だ。