カーネーション 73-75話

カーネーション」、73-75話 第13週 「生きる」

今週のカーネーションは年末編成のために水曜日までしかなかった。冬コミに行っていたので、やっと今日になって全部見られた。なるほど、この短縮週を利用して戦争の終わりまで持っていくことになってたわけですね。

岸和田にも空襲?あれ、大阪南部は古い家並みがけっこう残っているから空襲は来なかったのでは?と思っていたら、やはり刑法だけで空襲は来なかった。しかし、東京、名古屋が焼けて、次はここにも来るということで小原家が震え上がっているさまはよく伝わってくる。実際、次はどこが爆撃されるかなど、誰にもわからなかったのだから。

糸子は家族を郊外の空き家に疎開させる。本当ならもっと早い時期に学童疎開があったはずでは?それとも学童疎開は大都市だけで、岸和田のような小さな町は疎開対象になっていなかったのだろうか。よその家にいきたくないとわめくハルをむりやりリヤカーに乗せて運んでいくところはご愛嬌。

一方、奈津は野菜泥棒で追いかけられていたところを、見知らぬ男に助けられていた。そもそも奈津は夜逃げしてからどこでウロウロしているのか?奈津を助けたよくわからない男は誰?まあ、これも戦後への伏線なのだろうけど、気になる。

小原家にはとうとう勝の戦死公報が届き、糸子が勝の葬列を出す羽目になるが、糸子は感情が動く気力もなくしていて涙も出さない。泰蔵の戦死公報も続いてやってきて、八重子はぎゃあぎゃあ泣いているが、糸子はぼーっとしているばかり。その糸子が娘たちから赤い花びらをもらい、その帰りに倉庫にしまってあるだんじりを見て、死んだ人々のことを思い出して激しく泣くところは、演出がうまい。子供たちからもらった花びらが地面に落ちて、そこだけ色がついて、それが糸子の感情の揺れを引き出したというおはなし。

締めは玉音放送。聞いている小原家の人々はラジオの音声が聞き取りにくく、何を言っているのかわからない。実際、玉音放送の文語調の内容では何を言われているのかがわからず、その後のNHKのアナウンサーによる解説でやっとほとんどの人が敗戦を知ったのだから、そんなもんでしょう。糸子は戦争が終わったのを知っても、あいかわらず「きょうのお昼ごはんは…」とぶつぶつ言っている。こういうキャラ作りはとても感じがいい。橋田寿賀子だったら、主人公がぱっと喜ぶか何か、白々しいことをさせていただろう。

これで話の半分が終わった。あとは戦後。尾野真千子がどう老けていくのかもたのしみ。