「こつこつと」生きています

岸本葉子『「こつこつと」生きています』、中央公論新社、2011

岸本葉子の新着エッセイ。新着といっても、去年の9月から今年の6月までの本人のブログをまとめた本。これを図書館に注文して、順番が回ってくるまでにほぼ3カ月かかった。そのくらい人気があるということ。

しかし内容は、基本的には本人の日記。率直に言って、岸本葉子のファンでなければあまり関心が持てない。

ただし、作家としての日記なので、エッセイ作家というものがどんな日常を送っているのかということはわかる。何とこの人、昨年1年間で11冊の本を出したという。もちろんすべてが新刊というわけではなく、文庫化なども入っているとは思うが、まあ尋常な数ではない。空いた時間に講義や講演もしているのだから、タイトル通り、コツコツとやっていかなければ成り立たない商売だとはいえる。

小谷野敦は、岸本葉子は年収1000万円以上と言っていたが、このくらい書いていないと、そこまではいかないということ。

とはいえ、図書館で借りるのはともかく、自分で買う気になる本ではない。微妙。