カーネーション 25-30話

カーネーション」25-30話 第5週「私を見て」

デパートの火事の新聞記事から思いついた尾野真千子、いきなり心斎橋百貨店に出向いて支配人に会い、「おたくの女子社員の制服を洋服にしろ、それをわたしに作らせろ」と談判。当然相手にされない。しかししつこく食い下がって、見本をつくって自分で着ていき、支配人にOKを出させる。支配人の条件は二週間で二十着の製品を仕上げること。尾野真千子は、とうとう小林薫にミシンを買わせて、二十着を縫い上げる。

このデパート制服採用のあと、小原呉服店に注文が来て、順調な商売が進んだかというと、これがさっぱりうまくいかない。妹が就職をやめて姉の仕事を手伝うと言い出したときに、尾野真千子は妹をどなりつけて就職させようとするが、妹は急に「パッチ100枚、明日の朝までに仕上げる」というとんでもない注文を取ってくる。小林薫はむちゃな注文を取ったことで激怒するが、尾野真千子はひとりで翌朝までに仕事をしあげてしまいました。妹はおとなしく就職していきました、というのが先週のおはなし。

いろいろ見どころが多かったのだが、いちばん感心したのは、ネタの使い方がぜいたくだということ。デパートの制服採用のエピソードはこれで一週間話を引っ張ってもおかしくないくらいのもの。しかしあっさり木曜日で切り上げて、別のネタを持ってきた。しかも初仕事の成功にもかかわらず、小原呉服店の商売はさっぱりで、尾野真千子の仕事もまるで将来が見えない。つまり、まだまだ視聴者にこれからの話も山あり谷ありたいへんですよと、気持ちを引っ張っているのだ。

渡辺あやは連続もののテレビドラマははじめてだというが、とてもそうとは信じられない巧さ。5週目になっても、おもしろさの期待がどんどん上がっていくのは、並大抵の筆力ではない。あいかわらず役者はうまく、尾野真千子の芝居も子供っぽいところがだんだん取れて、その代わりに野心と挑戦心の部分が強く出てきた。父親ともガンガンぶつかっている。小林薫宝田明、十朱幸代らの芝居も安定している。

昨日、コンビニでこのドラマの主題歌が流れているのを聞いた。人気出てるなあと実感。