エースをねらえ! 劇場版(1979)

エースをねらえ!」(劇場版)、出崎統監督、東京ムービー新社、1979

ファミリー劇場で1979年の劇場版を見た。1973年のテレビシリーズ「旧エース」とは、出崎統監督、杉野昭夫作画監督の同じコンビ、声優陣も、岡ひろみお蝶夫人、藤堂さん、マキは同じなので、作画と声についてはそれほど違和感は感じない。

しかしこの映画、90分にもみたない時間で、マンガの10巻までの部分をストーリーにしているので、ストーリーの骨組み部分しかカバーしていない。岡ひろみが選抜選手にスカウトされて、いじめられていったんは退部を申し出て復帰、その後強化合宿に参加して、お蝶を試合で破り、それから唐突に宗方コーチは病床に倒れてラストシーンになる。旧エースは、強化合宿とその後のお蝶との試合までで26話分あったのだ。それを90分にするのはいくらなんでもムリでしょ。

ぜんぜん見たことがなければこれでもいいことになるのかもしれないが、旧エースを見て、原作を読んでいると、これはあんまりだ。脚本は藤川桂介だが、これは誰がやっても同じだろう。余韻も何もなく大急ぎでストーリーが進むのであぜん。特に宗方コーチが病に倒れるくだりはやらないほうがよかった。

音楽は馬飼野康二だが、これも明るすぎる。曲と内容が合ってない。旧エースの音楽をそのまま使ってくれた方がよかった。

1978年の「新エース」は演出と作画監督が違うが、どうなのか?スカパーに落ちてきたら見るが、わざわざソフトを借りてくるだけの気力はわかない。