怪奇大作戦 12話

怪奇大作戦」12話、「霧の童話」

山奥の村で落ち武者の亡霊が人を襲うという騒ぎが起きて、警察は出られませんよということで、SRIのスケさんが現地に出向く。村は外資の自動車会社が高速道路を引く計画でまっぷたつ。襲われているのは高速道路推進派ばかりなので、調べていくと、ヤギのふんのことから、村の子供が事情を知っているのではないかということになる。

夜中にSRIが子供を連れて落ち武者調査をしていると、妙な煙が流れてきてまた落ち武者が現れる。捕まえてみると反対派の年寄りだらけ。年寄りの中の一人が広島の大久野島の出身だったことで催眠ガス?を流しては、亡霊を演出していたというのがばれたのだ。じいちゃんたちも反省してめでたしめでたし、とここで終わらないところがこの回のミソ。

SRIが研究所に帰ってから、村に鉄砲水が出て、村そのものが全滅。牧さんが「これで計画はスムーズに進むだろう」とブラックに締めて終わり。この鉄砲水の場面は、夜に濁流が村を押し流し、それとカットバックで平和な村の風景が入ってきて、かなりコワイ。

昭和40年代の過疎地の村への郷愁と、オチの後味の悪さで、ドラマとしてふつうによくできていると思う。大久野島では、催眠ガスなんか作っちゃいないんですけど、そのへんは突っ込まない。まだ戦争の残り物が視聴者の中で消え去っていないことがわかるエピソード。