すし屋のケンちゃん 1話

「すし屋のケンちゃん」1話、「はじめまして」、宮脇康之、牟田悌三ほか出演、国際放映、TBS、1971

ケンちゃんシリーズの第3作。これはかすかに記憶にあるなー。このころがケンちゃんシリーズの絶頂期だったような気がする。牟田悌三のおとうさん役もこのシリーズから。おかあさん役の吉行和子は、めちゃめちゃキレイ。おじいさんが笠智衆、お店(久松鮨)の従業員が、進士晴久と江戸屋子猫となつかしいキャスト。

1話は、ケンちゃんトコちゃんが新しく出前持ちになるために田舎から出てくる従姉を迎えに行くのだが、途中で工場をやめてフラフラしているマンガさん(進士晴久)を拾って、出前持ちに雇ってくれと店に連れて行くおはなし。工員がつまらないからと仕事をやめて上野駅の前に座り込んでいるとか、今でもありそうだなー。久松鮨は非常にはやっているらしく、出前持ちだけで3人、すし職人が大将の牟田悌三を入れて3人、それ以外におかあさんとケンちゃんも出前に駆り出されているので、いつもフル回転で働いているらしい。しかし、当時の寿司屋なんて、それなりにぜいたくなわけで、そうそう誰でも行っていたわけではないだろう。わたしは子供の頃に寿司屋に連れて行かれたことは一度もないわ。

画面に飲み物の値段が映っていて、「ビール220円」(たぶんビン)、「一級酒 180円」とある。現在との物価水準の差を考えればあまり安くはない(このドラマは第一次石油ショックの前)。主題歌にすしネタの名前が出てくるが、「卵に海苔巻き、かっぱ巻き、あなごにまぐろにたこにしゃこ」と言っているので、いまある高級すしネタは出てこない。この主題歌を歌っているのは藤田淑子で、これもなつかしい。いろんな意味でおもしろい。

ホームドラマチャンネルはケンちゃんシリーズを順番に放送しているので、最後のシリーズまで全部やるのかもしれない。末期のシリーズがどうなっているのかを見るのもたのしみ。