エースをねらえ!(1973) 9-26話

エースをねらえ!」、毎日放送東京ムービー、1973 9-26話

時間はかかったが、エースをねらえ!、最初のシリーズは全部見られた。昔見たとき(当然再放送)の記憶はバラバラで、しかもマンガ(これは全巻読んだ)のストーリーと内容を混同していたので、今回見てやっときちんと内容を把握できた。

最初の方のひろみは自覚もないし、ガンガンいじめられるし、宗方コーチが何をひろみに見いだしたのかまったくわけがわからないのだが、10話「涙の退部とどけ」あたりから、がぜんやる気が出てきて、あっというまにうまくなっていく。最初のもたつきとイジメは、ひろみの成長と変身を際だたせるための仕掛けだったわけか。

今回見ていちばん驚いたのは音羽京子。こんないじめキャラはそうそういないなーと思って見ていたら、途中からいきなり悲劇の人、しかもいい人にガラッと変わっていてびっくり。この部分はぜんぜん記憶になかったので(音羽の変身はドラマ中盤)、昔はとびとびにしか見てなかったことがわかった。ひろみが覚醒してからは、ライバルは必要であっても、もはやいじめキャラはいらないので、これは上手な作劇だと思う。

お蝶夫人も中盤までは「あたしとテニスとどちらかを選びなさい」だとか、むちゃくちゃなことを言っていて、単なる変なお嬢様としか見えないのだが、ひろみがうまくなっていくのを見て、おかしな態度は消えてしまい、最後は美しい終わり方に。これもうまい。

途中で打ち切りになってしまったために、関東地区の選抜合宿までしかストーリーに入っていないから尻切れトンボになっているのだが、それでも23話「打ち込め!この一球を」から26話「ひろみ対お蝶!最後の対決」までの合宿は非常に盛り上がるし、ちゃんとこれはこれでひとくぎりついている。さすがだ・・・。最終話もいいが、その前の「男子テニスに負けるな!」がいい出来で、最終話へのちゃんとしたつなぎになっている。ひろみの鬼気迫る形相もみもの。

このシリーズが4クール続いて、宗方の死までやってくれていたらと思うと、話が途中で終わっているのは残念でたまらない。いつか機会があれば「新エース」や他のシリーズも見てみたいが・・・。出崎統追悼企画でどこかの局で全部やってくれないかなあ。