新日曜名作座 岸本葉子短編集より 温泉日和

新日曜名作座」 「岸本葉子短編集 温泉日和」、NHK第1、2011.9.4

西田敏行竹下景子の二人芝居をえんえんと流しているNHKのラジオドラマ「新日曜名作座」。いつもは録音だけ取ってほとんど聞いていないのだが、たまたま聞いてみたらとてもよかった。

前の週から「岸本葉子短編集」のシリーズで今回が2回目。おはなしは、40代をすぎて不倫相手の男と別れた主人公の女が、サークル仲間の女友達から温泉旅行に誘われる。あまり気が進まないままで旅行に行くのだが、それをきっかけにサークル仲間の意外な過去がわかってきて・・・、というもの。

岸本葉子は、まるっきり読んだことがないのだが、これがはじめての小説集だという。そうと知らされなければ全然わからない。ベテランのよくできた短編だと思っていた。山ほどエッセイを書いている人なのだから当然なのかもしれないが、40歳をとうにすぎて独身でいる人の生活の細かいひだがていねいに描かれている。また、その描写にいやみなところやくどいところがなく、聞いていてすなおに耳に入ってくる。

西田、竹下の演技、特に女の一人語りの話なので竹下景子がメインなのだが、とても自然で聞きやすい。とりあえず再来週(来週の放送はお休み)の放送を聞こう。それから図書館で岸本葉子の本を借りてこなければ。ひとつたのしみが増えた。